今日のお仕事
プラント関連パラメータ(PDF) 午前5時時点 午前11時時点
滞留水の水位・移送・処理の状況(PDF)12時時点
(4日の会見資料より)1月分の原子炉の冷却に必要な注水量について、1号機1.2m3/h、2号機1.5m3/h、3号機1.4m3/hと定め運用を開始。去年の12月に比べて、1号機で0.2m3/h減、2号機で0.3m3/h減、3号機0.4m3/h減。
1号機R/Bカバー解体作業。1月4日まで休工。
多核種除去設備ALPSのホット試験。A系で2013年3月30日より、B系で2013年6月13日より、C系で2013年9月27日より実施中。
増設多核種除去設備のホット試験。A系で2014年9月17日より、B系で2014年9月27日より、C系で2014年10月9日より実施中。
高性能多核種除去設備のホット試験。2014年10月18日より実施中。
その他
側溝に敷設されている耐圧ホースからの水の漏えい(2015年5月29日参照)の件。
福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果(PDF 8.09KB)
12月31日採取分。
T/B東側の観測孔で50万Bq/Lのトリチウムが検出された件(2013年6月19日、7月22日参照)。
福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(PDF 651KB)(12月31日採取分)
福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(PDF 225KB)(12月29日公開、28日採取分)
12月31日採取分の観測孔No.2、2-3、2-7、2-8(2-3号機取水口間)の134Csおよび137Csが前回(12月28日)と比べて有意に上昇した。
134Cs [Bq/L]:
No.2 <0.42 → 57
No.2-3 <0.34 → 17
No.2-7 <0.31 → 18
No.2-8 <0.38 → 36
137Cs [Bq/L]:
No.2 <0.53 → 250
No.2-3 0.94 → 73
No.2-7 1.4 → 80
No.2-8 <0.57 → 160
上記4カ所とNo.2-2の5つの観測孔で今日1日に再度採取し分析を実施する。
海水の分析結果には有意な変動はなく、周辺への影響はないと考える。また、海側遮水壁は閉合しており、当該観測孔4カ所が設置されている4m盤では地下水のくみ上げを継続的に行っている。
No.2-2は28日の134Csが5.2、137Csが21、31日が26、99でいずれも過去最高なので、ここもそれなりに上昇してはいる。これまでの過去最高は2014年2月12日の15、38 [Bq/L]。
福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】(プレスリリース)
事故当時の東電テレビ会議見ると分かるけど、 東京電力福島第一原子力発電所の略称「いちえふ」以外に、「ふくいち」も併用されている(概ね「いちえふ」だが)。 ただ、「ヒロシマ」「ナガサキ」「フクシマ」とかと同じく一種の記号化された「フクイチ」という記述は嫌悪感がありますね。— 最南端@義勇兵 (@sainantan) 2016, 1月 1
「ふくいち」という表記について、忌避感を表明する人が時々いる。デマを飛ばす人が多用しているから、というのが理由のひとつらしいのだけれど、ふくいちと言えば私は「ふくいちライブカメラ」だと思う。今は「福島第一ライブカメラ」という名称になっている(HPによれば「ライブカメラの名称(表記)について、「福島第一ライブカメラ」に変更。(平成26年4月17日)」とのこと)けれど、以前はそういう名前だった。ふくいちライブカメラは事故の前からあって、事故当時は10分おきの静止画を配信していたのを、2011年5月31日に免震重要棟側からのリアルタイム映像(1号機側の映像)配信に変更、2012年8月1日に4号機燃料取出し作業に合わせて4号機側からの配信に切り替え、2014年1月9日より1号機側と4号機側の両方で配信を開始して今に至っている(2014年1月8日参照)。
これに映っている色々な映像について、「臨界の光が(工事車両の照明?)」「トリチウムの蒸気が(浜通りの海霧?)」などという独自の解釈をしてTwitterや2chなどに書き込む人がいるらしい。この手の人たち(ふくいちライブカメラをよく見ている)が「ふくいち」という呼び方を使うので、「デマを飛ばす人が多用している」という印象を持つ人がいるのかもしれない。
ライブカメラの経緯に書いた通り、「ふくいち」という呼び名は事故前からあって、それ自体が事故と直接結びついているわけではないのだけれど、事故後に特定のクラスターの人が多用することで色が付いてしまった、ということなのではないかと思う。一方で、「いちえふ」という呼び名は竜田一人氏の漫画でまた別の色(廃炉作業に汗を流す作業者たちの現場、という感じ)を持つに至っていると思う。
「ヒロシマ」「ナガサキ」という表記が土地の人を傷つけて来た、ということについて、「フクシマ」という表記が発生したことで初めて私は理解したのだけれど、土地とそこに住む人々のつながりというものは、当事者でないと想像するのはなかなか難しい。特に、都市部に生まれついた人間にとっては、そこに代々住み続けて来た人の気持ちは到底理解できるものではないのだろうと思う。「ふくいち」という呼び名をめぐる人々の思惑もまた、とても個人的で繊細で、他人が容喙するような種類のものではないのだろう。
(以下、5月5日追記)
福島第一原子力発電所を指す言葉として、我々原発作業員や地元住民が「1F」と呼びならわすのに対比し、ハンゲンパツウンドー関係者が頑なに「フクイチ」と呼び続けるのだろうか? その欺瞞的な呼称を。— 1F廃炉作業員からの伝言しぐさ (@luposoleca) 2016年5月4日
ハンゲンパツウンドー関係者にとって、福島第一原子力発電所というのは、地理的にも、現実世界としても、意識としても、かなり「遠い世界」での出来事にしか過ぎないからであろう。そもそも「ふくいち」という単語が都市部消費者向けにアピールされた「愛称」である、ということを知らないからだ。— 1F廃炉作業員からの伝言しぐさ (@luposoleca) 2016年5月4日
現実世界として、この場所が身近にあり、そこで職を得、地域がこの施設と切っても切れない関係として「生きてきた」我々にとって、「フクイチ」という呼称に於ける「自分たちの存在がないがしろにされている」感を忌避する為、「イチエフ」という呼称を対抗的に使ってきたように思う。— 1F廃炉作業員からの伝言しぐさ (@luposoleca) 2016年5月4日
ハンゲンパツウンドー関係者が「フクイチ」と呼ぶとき、都市部住民によるNYMBYなエゴイズムに基く逆ギレ的な怨嗟を伴っている。被害にあっても尚、福島を貶め続ける人々とは一線を画し、地道に廃炉作業をしている我々労働者は「イチエフ」という呼称を誇りを持って使い続けるだろう。— 1F廃炉作業員からの伝言しぐさ (@luposoleca) 2016年5月4日
そういう感じ方をする福島の人もいるんだね。余談。放射線管理手帳に、東電に配慮して「東電福一」と記載する企業もあれば、「東電1F」と記載する企業もある。単に「1F」という企業も。でも、我々作業員や地元住民が福一第一原子力発電所を指すときに、「フクイチ」なる呼称を用いることはない。— 1F廃炉作業員からの伝言しぐさ (@luposoleca) 2016年5月4日
あの事故の後、首都圏に住む人が福島県民に対して「お前らが原発なんか誘致するから俺たちがひどい目にあったじゃないか。放射能被害はお前らのせいだ」という発言をするのをTwitterなどで見たことがあった。今まで福島県産の電力に散々世話になっておきながら、そういう発言をする人がいるというのが驚きだったけれど、原発や関連施設に対して心の底からNIMBYだと思っていて、さらに、そう思うことが恥ずかしいことだとすら思わない、そういう人は少ないかもしれないけれど確かにいるということがわかった。
私だって、中越沖地震の後も福島県に東電の原発があることを知らなかった(いや、きっとどこかで見聞きしたことはあったはずなのに、それをそういうこととして認識できていなかった)のだから、五十歩百歩だ。そのことについては、本当に反省している。社会は自分一人では成り立つはずがなくて、いろんな人がいろんな仕事をしてくれる結果として、この社会がある。原発が作ってきた電力があって、今までの社会、今までの生活があった。そういうことが、以前は全然わかっていなかった。でも、あの事故の時、本当に文字通りの意味で命をかけて、壊れていくプラントをなんとかしようとその場にとどまって努力し続けた人たちがいたことにびっくりしたし、事故がなくてもそういう人たちの日々のお仕事によってこの社会は成り立っているのだ、ということがよくわかった。
そう思うと、今まで原発を引き受けてくれていた福島の人たちには感謝しかないし、そのせいで福島の人が苦しんでいるなら、今度は福島の原発の世話になっていた我々がお返しをする番だと思う。
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