今日のお仕事
福島第一原子力発電所の状況について(日報)
プラント関連パラメータ(PDF) 午前5時時点 午前11時時点
滞留水の水位・移送・処理の状況(PDF)12時時点
1号機R/Bカバー解体作業。
本日の作業実績(PDF):防風フェンス取付け。作業時間は11:09-13:27。モニタリングポスト、ダストモニターに有意な変動は無し。
明日の予定:飛散防止剤散布。
サブドレン他水処理施設、10:03-14:09に一時貯水タンクEから排水を実施。排水量は613m3。
その他
サブドレン他水処理施設、一時貯水タンクF(11日採取)と集水タンクNo.3(9日採取)の分析結果。
サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果(PDF11.7 KB)
一時貯水タンクの分析結果は東電、第三者機関のいずれも運用目標を超えず。トリチウム濃度は東電が690Bq/L、第三者機関が730Bq/L。明日16日に排水の予定。
構内排水路の排水の分析結果(2015年3月4日参照)。14日採取分の分析結果と13日のリチウムの結果。。
福島第一原子力発電所構内排水路分析結果(PDF10.8 KB)
1号機放水路上流側立坑でCs濃度が上昇した件(2014年10月23日)および2号機放水路上流側立坑で全β放射能(90Sr)濃度が上昇した件(2015年5月14、15日、6月22日参照)。13日採取分。
福島第一原子力発電所構内1号機、2号機放水路サンプリング結果(PDF7.45KB)
T/B東側の観測孔で50万Bq/Lのトリチウムが検出された件(2013年6月19日、7月22日参照)。
タービン建屋東側における 地下水及び海水中の放射性物質濃度の状況について(PDF 2.55MB)
おまけ
13日に広島高裁で、伊方原発3号機の運転停止を命じる仮処分が出た。運転期間中に阿蘇火山の噴火で火砕流がサイトに到達することはないという四国電力の評価を否定したらしい。この件について、twitterでも色々言われている中で、参考になる Flying Zebra@f_zebraさんのツイート。
あまり意味はないんだけど、仮に阿蘇でVEI6以上の破局的噴火が発生し、火砕流が伊方発電所に到達したり、降下火砕物の層厚やそれを前提とした大気中濃度が四国電力の想定を大幅に超えた場合にどの程度の影響があるのかざっくり考えてみる。— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月15日
今の規制基準では火砕物密度流や溶岩流のような「設計対応不可能な火山事象」が発電所敷地に到達する場合は「立地不適」としてそれ以上の評価は行わない。しかし実際には仮に火砕流が運転中の原子力発電所に到達したとしても、必ず過酷事故に至るわけではない。— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月15日
今の規制基準では火砕物密度流や溶岩流のような「設計対応不可能な火山事象」が発電所敷地に到達する場合は「立地不適」としてそれ以上の評価は行わない。しかし実際には仮に火砕流が運転中の原子力発電所に到達したとしても、必ず過酷事故に至るわけではない。— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月15日
海抜10mにある伊方発電所の建屋まで火砕流が到達しなかったとしても、港内にまで火砕流が到達するような事態になれば少なくとも屋外は人間が活動できる環境ではなくなる。外部からの支援もまず当てにできず、その頃には発電所は無人になっていると考えるのが妥当だろう。— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月15日
新規制基準で認可された原子力発電所はかなり過大な津波対策が施されているので、長距離を移動して運動エネルギーを失った火砕流が安全上重要な建屋の内部まで破壊することは考え難い。ただし、有毒な火山ガスを含むため人間の活動はかなり制約される。— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月15日
最も厳しく想定すれば、噴火数時間後には九州は壊滅、西日本のあらゆる行政機能はマヒし、原子炉も緊急停止した後は無人で放置されることになる。どこかの時点で外部電源が喪失し、非常用電源に自動的に切り替わる。海水ポンプが破壊され、海へのヒートシンクも失われるかもしれない。— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月15日
伊方はPWRなので海水系統が失われても蒸気発生器から2次系蒸気を放出して大気に熱を捨てることができる。その切替は自動ではできないけど、さすがに運転員も逃げる前にそれくらいはやっていくだろう。給水が切れれば終わりだが、2日くらいはこれで持つだろう。— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月15日
無人になり、給水も切れて冷却の手段を失った原子炉では炉心温度が上がってやがて炉心損傷し、バウンダリも破れて放射能を含む1次系炉水が格納容器内に漏洩する、かもしれない。その場合は水素も発生するが、操作を要しない水素再結合装置等があるので水素爆発は考え難い。— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月15日
PWRの格納容器は容積が非常に大きいので圧力は高まりにくい。火山事象では原子炉停止直後の最も崩壊熱の大きな時間帯には効果的な余熱除去ができている可能性が高く、運転員による操作や外部からの支援が全くなかったとしても格納容器破壊にまで至る可能性は低いだろう。— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月15日
この想定では九州、中国、四国くらいはほぼ無人になっていて世界的な大パニックが起きているだろうから、伊方からの放射性物質環境放出があってもなくてもほとんど影響はないだろう。しかし、それでも実際に放出に至る可能性は高くはないのだ。まあ、あまり意味はないが。— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月15日
火砕流が発電所に到達するまでの事態に至らず、発電所内で運転員が対処できる状態であればそもそも炉心損傷にまで至ることはまずない。設備は致命的なダメージを受ける(発電設備としては使えなくなる)かもしれないが、外部に影響を与えることはないだろう。— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月15日
詳しいことはよく知らないんだけれど、火山の影響評価については、地震や津波と違って、もし影響があった場合にはどうするか、という対策(こういうのを深層防護って言うの?)が講じられていない。上記2番目のツイにもあるように、新規制基準では「設計対応不可能な火山事象が、 原子力発電所運用期間中に影響を及ぼす可能性が十分小さい」と言えない場合は「立地不適」になっちゃうから(「原子力発電所の火山影響評価ガイド【PDF:500KB】」より。この資料は規制庁HPの実用発電用原子炉の規制基準に関連する内規のページにある)。だけれど、日本国内で火砕流や溶岩流などが絶対に来ないと言える場所なんて、ないのではないだろうか(昭和新山みたいなこともあるし)。そもそも「影響を及ぼす可能性が十分小さい」って言うのが具体的にどのくらいの大きさなのかが分からなければ、評価のしようもないと思うんだけれど、そこはどうなってるんだろう。このやり方じゃ、まるで「想定外の大きさの津波に対しては対策する必要はない」って言うのと同じなんじゃないかと思うのだけれど。
以前に規制委の「原子力施設における火山活動のモニタリングに関する検討チーム」で、川内原発の再稼働の申請書で「想定される巨大カルデラ噴火は事前予知が可能」とする九州電力の理路を火山の専門家たちは完全に否定していた。あの会議での専門家の一致するところは「火山噴火の事前予知は時期についても規模についても不可能」というものだった(でも、川内原発はあの申請書によって認可され運転中である)。ならば、可能性があるかどうかを云々しても意味がなく、Flying Zebraさんが言うようなシナリオを影響の種類と規模に応じて色々考えて、可能な対策を取らないといけないのではなかろうか。でも現状では、火山噴火の影響については、そういう規制は全く行われていない。
あと、「伊方に火砕流が来るほどの規模の噴火が阿蘇山で起きれば九州が全滅なのに、原発だけ止めてどうするの?」という意見に対して「原発から放射能漏れが起きれば、その後の復興に差し支える」という意見もあるのだけれど、それ以前に、そういう滅多に起きないようなリスクを回避するために「今、原発を止めることのリスク」を考えるべきなんだろうなと思う。これについても、
という指摘はもっともだと思った。「考慮」がタダならいくらでも考慮すればいんだけど、対策に割けるリソースが限られている以上、合理的な範囲を超えて対策を求めてしまうと他が手薄になって、社会全体としては結局安全性が下がってしまう。そんなに難しい話じゃないと思うんだけど、理解できない人が多いよね。 https://t.co/gzMlPKQnos— Flying Zebra (@f_zebra) 2017年12月14日
Flying Zebraさんはいつもいつも「人間の直感は現実を正しく反映しないことがあるから、そういう場合は合理的に考えるように努めないとかえって利益を損なうことになる」と警告していて、本当にその通りだと私も思うんだけれど、理解されないことも多いみたい。こういう一見冷たいとも取れるような冷静な態度に対して「原子力村の住人」という評価もあったりするのを、本当に悲しく思う。人々の利益になるようにと考えているのは、誰なんだろうね。
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