リンク切れ

現在、以下のリンク切れがあります:2016年1-3月のプレスリリース・報道関係各位一斉メール・日報、2014年3月以前の動画、滞留水のPDF資料、2012年のプレスリリースの一部。2012年のプラントパラメータ関連の一部。詳細はこちら。

2013年4月25日(木)

今日のお仕事


福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)(PDF 19.5KB)

プラント関連パラメータ(PDF) 午前5時時点 午前11時時点

2号機T/B地下たまり水移送、23日から停止中。

電源2重化工事を行うため09:39に3号機使用済燃料プール代替循環冷却装置を停止した。工事は明日26日までの予定。停止時プール水温は15.9℃、停止中のプール水温度上昇率評価値は0.143度/hで停止中のプール水温上昇は約5度の見込み(運転上の制限値は65℃)。
3号機T/B地下たまり水移送、昨日24日から継続中。

4号機T/B地下たまり水移送、2012年11月29日から停止中。

水処理装置、キュリオンセシウム吸着装置、3月21日から停止中。
水処理装置、SARRY、3月22日から運転中。フィルター洗浄のため08:26-12:30に停止、起動後13:24に定常流量に到達。

地下貯水槽からの漏えいの件。
移送の状況
地下貯水槽水位データ(PDF 34.9KB)
地下貯水槽 水位グラフ(4/25 16:00現在)(PDF 20.5KB)
地下貯水槽の移送状況について(PDF 16.9KB
No.1からH2エリアタンクへの移送を09:36-14:27に実施。また、No.1からろ過水タンクへの移送を10:58に開始した(こちらは昼夜通じて連続しておこなう)。
今日の作業
地下貯水槽の漏えいに関わる本日(4/25)の作業実績(PDF 514KB)
漏えい検知孔水のくみ上げ。No.1北東側で5回、No.2北東側で4回、No.3南西側で4回、それぞれ実施した。
モニタリング強化。各槽のドレン孔水、漏えい検知孔水、および、地下貯水槽観測孔22ヵ所で採水・分析を実施。また、17日採取分のドレン孔水と漏えい検知孔水のトリチウム分析結果が出た。全β核種で高い値の出ているところで、トリチウムも高い値が出ている。
地下貯水槽・貯水槽観測孔分析結果(採取日:4月25日)(PDF 19.2KB)(4月26日公開)
地下貯水槽 トリチウム分析結果(採取日:4月17日)(PDF 11.0KB)
福島第一原子力発電所地下貯水槽からの水漏れについて(続報94)【報道関係各位一斉メール】 (プレスリリース)
福島第一原子力発電所地下貯水槽からの水漏れについて(続報95)【報道関係各位一斉メール】 (プレスリリース)
福島第一原子力発電所地下貯水槽からの水漏れについて(続報96)【報道関係各位一斉メール】 (プレスリリース)
福島第一原子力発電所地下貯水槽からの水漏れについて(続報97)【報道関係各位一斉メール】 (プレスリリース)
福島第一原子力発電所地下貯水槽からの水漏れについて(続報98)【報道関係各位一斉メール】 (プレスリリース)


福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ(4月25日 午後3時現在)(PDF、1Fプレスリリース)


おまけ

(以下5月3日追記)
4月25日に、東京新聞の記事に対して事実誤認があるという指摘が東電のサイトに掲載された。
4月25日 東京新聞1面(トップ)「汚染水破綻明かさず 東電、増設前「タンクに余裕」」について 
指摘の対象となった記事は東京新聞のウェブ版にも掲載された。
東京新聞:福島1原発 汚染水 破綻明かさず:社会(TOKYO Web)魚拓はこちら
私は東京新聞を取ってないので、訂正記事が出たのかどうか知らないんだけれど、ウェブ版の方は、場所を変えて訂正されずに残っている。
東京新聞:福島第一 汚染水 破綻明かさず:福島原発事故(TOKYO Web)
記事は地下貯水槽の漏えいに関するもので、ウェブ版の第一パラグラフは以下の通り。
「東京電力福島第一原発の汚染水量が一月にはすでに、地上タンクの容量を超え、貯蔵計画が破綻していたことが分かった。危機的状況にもかかわらず、東電はタンクには余裕があると発表。その裏で、水漏れ事故が起きた地下貯水池に汚染水を投入していた。この時点で危機を公表し、真剣にタンク増設に取り組んでいれば、四月五日に発覚した汚染水漏れ事故は防げていた可能性が高い。」
この内容は私の認識と矛盾する。地下貯水槽は当初、ALPSの処理水を貯めることを想定されていたもので、初めて話が出た頃(たとえば2012年2月27日)には「そんなのでホントに大丈夫なの?」という声はあったけれど、「貯水槽としてすでに実用化され実績のある技術だからOK」という東電側の説明に対して記者から疑問は出なかった。その後、ALPSのホット試験開始が遅れたために、用途を変更して濃縮塩水(RO膜型淡水化装置の処理水)を貯めることになった時(この話の初出は多分2012年12月18日)にも、同じく「大丈夫?」っていう指摘はあったけど、東電は「漏れないように作ってあるんだからALPSの処理水でも濃縮塩水でも同じ」と説明し、記者からも漠然とした不安の他には何の指摘もなかった。つまり、東電は地下貯水槽を濃縮塩水の貯槽として使うのに問題はないと考えていたのだ。だから、地上タンクだけでは処理水の貯留をまかなえなくなった1月以降に地下貯水槽を濃縮塩水の貯槽として使用し始めたわけで、このこと(つまり、地下貯水槽を勘定に入れないと地上タンクだけでは容量が足りない)をもって処理水の貯蔵計画が破綻したと東京新聞が言うのは、地下貯水槽が漏洩することを事前に知っていたのでなければ意味が通らない。漏洩の可能性が確認されるまでは、地下貯水槽に濃縮塩水を貯めることは、何の問題もなかった。だから、地下貯水槽に濃縮塩水を入れ始めたことも、東電は都合の悪い事実として隠す必要がなかったし、実際に隠していなかった。地下貯水槽を実際に貯蔵容量に割り当てることは1月4日に、地下貯水槽に濃縮塩水を入れ始めることは1月7日に、会見で報告されている。したがって、「この時点で危機を公表し、真剣にタンク増設に取り組んでいれば、四月五日に発覚した汚染水漏れ事故は防げていた可能性が高い」という記事の主張は、結論の前提となる事実認識に二つの誤りがある。正しい認識は、地下貯水槽に濃縮塩水を貯めることを東電は当時から公表していたということ、それから、地下貯水槽に濃縮塩水を貯めることを東電は危機的状況とは考えていなかったということ(さらに言うなら、これについて、具体的な根拠をもって危険であると指摘した記者は東京新聞を含めて一人もいなかった)である。前提が事実と反するのだから、結論については言うまでもない。

さて、この記事に対するウェブでの反応は、大半が「やっぱり東電はしょうもないな」という類いのもの。26日のツイッターとはてなブックマークのスクリーンショットはだいたいこんな感じ。
「この記事おかしいんじゃないの?」という反応は、ほとんど見なかった。事実ではない記事にみんな釣られたわけだ。なんでそんなに釣れるかって言うと、この記事を読む前から東電は都合の悪いことを隠蔽する会社だと思っているから。そういう先入観があるために、東電がまた隠蔽してるという記事を読むと、ころっとだまされる。この手の「釣り記事」は、原発事故以降、嫌という程見てきた。しかも対象は東電に限らない。最近では、福島県の甲状腺の検査についてやはり事実に反する釣り記事があった。毎日新聞のこの記事
クローズアップ2013:福島、子供の甲状腺検査 高まる県民の不信- 毎日jp(毎日新聞)
これに対する当事者の反論がこれ。
放射線医学県民健康管理センター | 平成25年4月22日の毎日新聞報道について
あるいは、ちょっと毛色が違うけれど、こんなのも最近あった。
ネットで話題の「民主党ブースに人がこない」画像・動画に関する『真実』を伝えたい:【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)
要するに、実際のところどうなのかを知らないと、事実でないものを事実としてつかまされちゃう、ということなんだ。先入観(あるいは、不安とか期待とか)にそった情報が権威をともなって提示されると、それが事実でなくとも事実であると思っちゃう。その結果何が起きるかというと、社会における人々の認識が現実と乖離していくんだ。本当はそうじゃないのに、みんながそうだと思い込んでいる。こういうのを「偏見」とか「差別」とか言うんだよ。
「イスラムは喧嘩ばかりしている」
「生活保護受給者は働く気がない」
「女は泣けば許してもらえると思っている」
「おっさんの足はクサい」
「東電は情報を隠蔽する」
戦争や内戦をしているイスラム教国はあるけれど、そうじゃない国(たとえばマレーシアとか)だってある。生活保護を不正受給している人は確かにいるけれど、そんなの全体の数%だ。すぐ泣く女もいるだろうけど、決して涙を見せない女もいるし、足のクサくないおっさんだっているに違いない。東電にはトラブル隠しという前科もあるけれど、地下貯水槽の件に関しては指摘されるような隠蔽はしていない。イスラム云々の話なら新聞はかみ付くほうなのに、東電のことになると実際と違うことを書き立てて、読む方も変だと思わない。

事実ではない情報を受け手と送り手が共有し、社会的な認識をゆがめていくっていうと、もうひとつ思い出すのは戦時中のいわゆる大本営発表ってやつ。当時は都合のいい話だけが報道され、人々は受け入れ難い現実から目をそらして偽りの日々を生きてたんだ。ひどい現実が目の前にあったのにね。その結果、国内外でたくさんの人が死んだり傷ついたりしたんだ。新聞は反省してるんだと思ってたけど、ちっとも変わってない。みんな、現実を知りたいんじゃなくて、気持ちいい話を聞きたいだけなんだ。だから、メディア側もそういう話を書きたがるんだろう。書く方も楽しいんだろうね。トラブルの際の会見で東電の不手際とか不作為が原因だと決めつけて質問する記者は結構いるし、そういう人はすごい盛り上がってるもん。ニコ生見てる人も、コメントを読むとそうやって東電がやり込められるのが楽しみな人が多いよね。東電のせいでひどい目に遭ってるんだから、東電は正義によってさばかれるべきだ。東電はもっと苦しめ、と。でも、そういう気持ちと1Fの作業は別だよ。そういう気持ちが作業のことを実際とは違う形で報道させていく、それが廃炉を実現するのに役に立つ?むしろ足を引っ張ることにしかならないんじゃない?それは結局、自分の首を絞めることなんじゃないの?

1Fの作業にたずさわる人たちは、現場に出る人も出ない人もみんな現実の世界と格闘してるんだよ。自分の思いたいように事実認識をねじ曲げることは簡単にできるけれど、現実の世界はそんなに簡単に変わってはくれない。目をつぶりたいような現実が次々と押し寄せてきて、それでもそこに踏みとどまって目をつぶらずに現実世界と向き合ってるんだ。つらくてもそれ以外に道はないのだから。それだけが、この受け入れ難い現実を少しでもマシなものにして行く唯一のやり方だから。

だから、せめて報道の人は事実じゃないことを根拠にものを言うのだけはやめてくれないかな。偏見や差別を助長するのが報道の仕事じゃない。現実に何が起きているのかをゆがめずに伝えてくれよ。それが知りたくないことでも、がっかりするような面白くないことでも、知らなきゃ現実をさばいていくことはできない。虚構の城にたてこもるような人生は、そうしたい人だけがすれば良い。報道機関は公器なんじゃないの?それから、欲を言えば、気持ちでものを言うのもやめないかな。真剣に取り組めば解決できるとか、松岡修造かよ。事前の調査や設計とか資機材・人材の手配とか、いちいちの手順をひとつづつ組み上げて作業が進んでいくの、会見見てれば分かるじゃん。そういうところを厳格にチェックしていけば、できるかできないかが評価できるんじゃないの?事実認識がこんなにゆるゆるで、まともな報道ができるのかね。てか、できてないのか。

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