リンク切れ

現在、以下のリンク切れがあります:2016年1-3月のプレスリリース・報道関係各位一斉メール・日報、2014年3月以前の動画、滞留水のPDF資料、2012年のプレスリリースの一部。2012年のプラントパラメータ関連の一部。詳細はこちら。

2014年11月21日(金)

今日のお仕事


福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)(PDF 121KB)

プラント関連パラメータ(PDF) 午前5時時点 午前11時時点

滞留水の水位・移送・処理の状況(PDF)9時時点

1号機R/Bカバー解体工事
本日の作業実績(PDF)
原子炉建屋既存鉄骨調査(南3、北3エリア)を実施(19日参照)。作業時間は06:32-11:24。モニタリングポスト、ダストモニターに有意な変動は無い。
明日の作業予定:原子炉建屋既存鉄骨調査(南3、北3エリア)(作業予定時間:06:00-15:00)。3頁に来週の予定あり。
1号機T/B地下たまり水移送、19日より停止中。

2号機T/B地下たまり水移送、13日より継続中。

3号機T/B地下たまり水移送、5日より継続中。

4号機からの燃料取出し作業、今日11:20に新燃料22体の6号機使用済燃料プールへの移送作業を完了した(6号機への移送の1回目)。これにより、今日までに63回のキャスク移動を実施。共用プールおよび6号機使用済み燃料プールへ移送した燃料は1373/1533体(使用済燃料が1331/1331体、新燃料が44/202体)。今後、新燃料の残り158体を適宜6号機へ移送していく(今後は今までのように週頭での実績報告とする)。
4号機T/B地下たまり水移送、2012年11月29日より停止中。

6号機T/B地下たまり水移送、19日より停止中。

水処理装置、キュリオンセシウム吸着装置、9月4日より停止中。高温焼却炉建屋の地下たまり水を循環浄化可能とするラインの設置(6月16日参照)、および、Srを除去するためのラインを既設ラインに追設する(9月25日参照)ための配管改造工事を10月16日より実施していたが、今日16:00に終了。
水処理装置、SARRY、10月31日より運転中。
多核種除去設備ALPSのホット試験。
A系:2013年3月30日に開始。現在、10月30日より運転中。
B系:2013年6月13日に開始。現在、10月30日より運転中。
C系:2013年9月27日に開始。現在、10月30日より運転中。
増設多核種除去設備のホット試験。A系で9月17日より、B系で9月27日より、C系で10月9日より実施中。
高性能多核種除去設備のホット試験。10月18日より実施中。

T/B東側の観測孔で50万Bq/Lのトリチウムが検出された件(2013年6月19日、7月22日参照)
1-2号機取水口間のウェルポイントからの地下水くみ上げを実施中。
2-3号機取水口間のウェルポイントから地下水のくみ上げを計画的に実施中(2013年12月8日参照)
観測孔No.0-3-2からの地下水くみ上げを2013年12月11日より試験的に実施中。
観測孔No.1-16近傍の地下水くみ上げ用孔(No.1-16(P))から地下水のくみ上げを1月29日より適宜実施中。
タービン建屋東側における地下水および海水中の放射性物質濃度の状況等について(PDF 976KB)
福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(PDF 917KB)

サブドレンピットNo.18と19のCs濃度が上昇した件(10月24、30日参照)で、サブドレンピットNo.17の閉塞工事を14日より実施していたが、今日終了した。


その他


5号機では、圧力容器内にある使用済燃料の取り出しに向けた原子炉開放作業を昨日20日より実施中だが、当該作業において燃料プール冷却浄化系の系統を使用して原子炉格納容器および原子炉ウェル内の水張りを実施することから、使用済燃料プールの冷却を一時停止する(25日:約10時間、28日:約15時間)。
使用済燃料プール水温度は、16:00時点で18.8℃、冷却系停止時のプール水温上昇率評価値は0.186度/h、停止中の使用済燃料プール水温上昇は25日が約2度、28日が約3度の見込み(運転上の制限値は65℃)。格納容器に水張りしちゃうの?S/Cのこと?

地下水バイパス一時貯留タンクGr3のサンプリング結果。13日採取分。
福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク分析結果(PDF 8.83KB)
東電、第三者機関のいずれの結果も運用目標を超えず。

サブドレン復旧に向けた建屋周辺の地下水調査結果(10月24、30日参照)
福島第一原子力発電所2号機建屋周辺地下水分析結果(PDF 393KB)
20日採取分のサブドレンピットNo.19の放射能濃度[Bq/L]が上昇(前回13日採取分と比べて、134Csが110→2,100、137Csが340→7,500、全βが360→8,500)。No.17の閉塞作業(上記参照)での溢水がNo.18に流れ込み、比較的濃度の高いNo.18の水がNo.19へ流れ込んだためと考える。

1-4号機R/B上部でのダストサンプリング結果と1-3号機格納容器ガス管理システムでのガスサンプリング結果。1号機は20日(建屋カバーを一部外して原子炉ウェル上部などで実施。19日参照)、2号機は4日、3号機は5日、4号機は7日に実施。
福島第一原子力発電所 1号機原子炉建屋上部における空気中放射性物質の核種分析結果(PDF 79.1KB)
福島第一原子力発電所 2号機原子炉建屋排気設備における空気中放射性物質の核種分析結果(PDF 74.7KB)
福島第一原子力発電所 3号機原子炉建屋上部における空気中放射性物質の核種分析結果(PDF 76.4KB)
福島第一原子力発電所 4号機原子炉建屋上部における空気中放射性物質の核種分析結果(PDF 79.2KB)
福島第一原子力発電所 1号機原子炉格納容器ガス管理システムの気体のサンプリング結果(PDF 66.2KB)
福島第一原子力発電所 2号機原子炉格納容器ガス管理システムの気体のサンプリング結果(PDF 66.2KB)
福島第一原子力発電所 3号機原子炉格納容器ガス管理システムの気体のサンプリング結果(PDF 66.4KB)

R/B以外の建屋開口部でのダストサンプリング結果
福島第一原子力発電所 建屋開口部における空気中放射性物質の核種分析結果(1)(PDF 82.1KB)
福島第一原子力発電所 建屋開口部における空気中放射性物質の核種分析結果(2)(PDF 86.7KB)
福島第一原子力発電所 建屋開口部等における空気中放射性物質の核種分析結果(PDF 86.4KB)
共用プール建屋。

水処理設備内の処理水分析結果。採取個所は2011年11月18日の資料を参照。
水処理設備の放射能濃度測定結果(PDF 10.0KB)

実施計画の変更(4月8日提出)が認可された。
「福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画」の認可について
使用済セシウム吸着塔一時保管施設(第三施設)で保管するHICを3段積みにする件(第二施設では1段で保管)。昨日の説明は間違ってるな。

今日、規制委の第29回特定原子力施設監視・評価検討会があった。その際の資料。
(第29回特定原子力施設監視・評価検討会資料)海水配管トレンチ建屋接続部止水工事の進捗について(PDF 1.47MB)
2号機立坑A間詰め充填実績(2頁)
2号機開削ダクト間詰め充填実績(3頁)
2号機間詰め実施後の温度状況(4頁)。間詰め完了後、氷を投入しなくても全体に温度が低下し全ての測点で0℃以下となったが、17日に揚水試験でトレンチとT/B間に水位差をつけたところ、一部で温度が上昇。間詰め材の固化したものはパッカーよりも熱伝導が良いため、間詰め後に凍結の促進が期待されていた。9月22日参照。
揚水試験結果(5頁)。17日に立坑Cのポンプで平均流量約35m3/hで6時間、トレンチ内たまり水をプロセス主建屋へ移送。その結果、立坑Cの水位はO.P. +2.98mからO.P. +2.8m以下に低下し、T/Bとの間で約20cmの水位差を確保できることを確認したが、移送停止後は立坑水位は上昇に転じ、平均約20m3/hのトレンチへの流入を確認(流入経路はT/Bからの流入とトレンチへの地下水流入のいずれか、または両方。どちらなのかの確認はこれ以上はしない)。
揚水試験結果まとめとトレンチ閉塞工事の考え方(6頁)。間詰め充填により一定の効果は上げたものの、完全な止水はできていないので、たまり水がある状態でトレンチ本体の充填・閉塞を実施することとする。閉塞はトンネル→立坑の順に行う。立坑に充填孔を設け、閉塞材料をトンネル部に流動させて充填する(10月3日に示した手順と同じ)
閉塞工事中の水位管理(7頁)。立坑水位が運転上の制限(O.P. +3.5m。4m盤でのトレンチ周辺の地下水位(O.P. +4 - 5m)を上回らない高さ。トレンチ内の水位は一定だがトレンチ周囲の地下水位は山側から海側に向かってなだらかに低くなっていて、4m盤で一番低くなる)より高くならないように管理する。揚水試験の結果によれば、T/B水位がO.P. +3mあってもトレンチ内水位はO.P. +2.8mまで下げられるが、T/Bとトレンチに水位差がつくと止水壁の凍結状況が変化する。したがって、以下のようなサイクルで水位管理する:1.充填開始前にトレンチ水位をO.P. +2.8m以下まで下げる、2.充填中(07:00-13:00)はトレンチ水位を30分ごとに監視し、O.P. +3mを超えたらたまり水移送を開始してトレンチ水位を下げる、3.水位上昇が続く場合、O.P. +3.25mに達したら充填を中断、4.翌日の充填開始までにトレンチ水位をO.P. +2.8m以下に下げる、5.充填期間中はT/Bとトレンチの水位差が大きくならないように制御する。充填量は初日80m3で開始し、様子を見ながら増やして5日目以降は210m3とする予定。凍結止水の効果が小さければ止水部はツーツー(充填によって押し出された水は立坑の水位を上げないでT/Bへと流れ込んでいく)な訳で、そうであれば立坑の水位はT/B側の水位によってコントロールできることになるが、これはやってみないとわからない、ということらしい。
閉塞材料の特性(8頁)。高い水中不分離性と流動性を有する材料を開発した(この材料についての初出は9月22日の廃炉・汚染水対策現地調整会議の資料)。水中長距離流動試験により、最低12時間は流動性を保持し、80m以上流動し、流動先における材料の性状が変わらないことを確認。骨材を使用しないので、小さな隙間にも流れ込んで充填できる。トレミー打設(材料を投入する配管の先端が常に材料中にあるようにする)で水中に打設。流動中の勾配は約0.5%(1/200)で、セルフレベリングする。
水中長距離流動試験の結果概要(9-12頁)
閉塞材料内に固定される放射性物質(13頁)。流動試験結果(12頁)より、たまり水が閉塞材料に巻き込まれて固定される割合は約1%。閉塞部の確認や作業等のために閉塞したトレンチをコア抜きしたとして、コアの表面線量は30μSv/h程度。
トレンチ閉塞の手順(14-頁)。トンネルは天井部と一般部(天井部以外)に分けて充填する。充填は立坑AとCから行う。立坑C-立坑D-開削ダクトは隔壁がある分室構造(19頁)になっているので、充填孔などの設備はそれぞれ2ヶ所づつ設置する。たまり水移送ポンプ、観測孔、水位計はA-Dの各立坑に設置(19頁)。打設高さはレッド測深(比重が1.25の錘(水の比重が1.0、閉塞材料の比重が1.5)を垂らして打設天端を感知し、錘をつっているメジャーを読み取る)で測定する(18頁)。トンネルは1/300の傾斜が付いていて、立坑Cが一番低い。立坑Bは砕石を入れた上にモルタルを打ってあるが、砕石部は水を通す(閉塞材料は入らない)ので、モルタル部を削孔してポンプを設置する(15頁)。
施工手順:充填孔、ポンプ設置孔、水位計の設置→トンネルB・C一般部充填→トンネルA一般部充填→トンネルA天井部充填→トンネルB・C天井部充填→立坑A、立坑D・開削ダクト充填→立坑B、立坑Cの充填(14、15頁)。トンネルの一般部は数日かけて水抜きと充填を繰り返す。天井部は1日で行う(トンネルBは充填孔のある立坑Cから立坑Bに向かって天井が高くなっているので、トンネルB立坑C側の天井側に隙間がある状態で一気に充填をする必要がある。17頁)。開削ダクトは立坑Cと一緒に充填する(25頁)。スケジュールは26頁。トンネルの充填は12月中旬に完了予定。
残水の可能性(27頁)。20日の作業中に立坑の底部で厚さ20-40cmの砂の堆積(津波に含まれていた砂が積もったものと考える。立坑の地上の入り口は、津波が来た際にすべて水没した)を確認した。閉塞材料は堆砂の中には充填されない。堆砂の間隙率を50%とすると、残水量は23m3程度(トンネル内に堆砂があるかどうかは確認できないが、ある程度はあるのではないか。トンネル内の堆砂が連続していればそこは水みちになり得るが、あったとしてもトンネル底部に限定されるだろうから、T/Bと連通する水みちになる可能性はない)。天井部の不陸個所(平らでない部分)があると、充填されず残水が生じる可能性があるが、トンネル施工時はmm単位の施工管理を行っているため、大きなものはないと考える(仮に5mmの充填できない場所が全域にあるとしても残水量は2m3程度)。以上の合計25m3は、閉塞前のたまり水の0.5%。
閉塞の確認(28頁)。トンネルの閉塞が完了した時点で、T/Bおよび立坑Bと立坑Cの水位連動を確認する。連動がなければ水みちはなく充填は十分と判断。連動がある場合は、立坑BとCで水抜きを行い、水位回復後に水質調査を実施。水質が改善している場合は地下水の流入(T/Bとの連通はない)と判断。改善しない場合はT/Bとの連通が残っていると判断し、立坑AとDでさらに充填を実施する(29頁)。
トレンチの凍結止水は色々やってきたけど結局うまくいかなかった、流動性の高い閉塞材料の開発によりそもそも凍結止水はやらなくても良い状況となっている、というわけで、今までの経緯についてまとめて報告するように、という更田委員の指示が検討会であったけれど、そもそも凍結止水やるって言い出したのは汚染水処理対策委員会だよね(たとえば、2013年5月30日の汚染水処理対策委員会を参照)。あと、これだけ頑張ったのに見事に玉砕したのって、この凍結止水が初めてじゃないかな。これまでは、なんだかんだ言っても最後はものにしてきたんじゃなかったか。てか、トレンチの閉塞自体はなんとかなりそうだし。むしろ、凍結止水がうまくいかない可能性を考えてグラウト材の開発を同時に進めていたことについて、ほめられてもいいのかも。
規制委は2012年9月にできたので、凍結止水に関することは初めから見ているはずで、経緯について自分とこで調べたりはしないのかしらん。それに、上手くいかなかったことについて規制委自身の反省はないんだろうか。
(第29回特定原子力施設監視・評価検討会資料)サブドレン他水処理施設の状況について(PDF 661KB)
サブドレンピットNo.18、19で放射能濃度が上昇した件(10月24、30日参照)の対応。サブドレンピットNo.15は1・2号機排気筒(排気筒下部のSGTS配管付近は非常に線量が高い。2011年8月1日、2013年12月6日参照)に近いため周辺の雰囲気線量が高く、アクセスが困難。No.17は周辺の線量も低く、サブドレン水の放射能濃度も低い(6頁)ので、これを閉塞することにした。No.15-No.19の5つのピットは横引き管で集水する構造であり、ピット側面からの集水機能はない(7頁)。No.17を閉塞して未復旧ピットNo.15、16と復旧ピットNo.18、19を分断した(9頁)。今後、効果を見るためにNo.18と19から水をくみ上げて、No.17ピットの水位低下がないこと、および、No.18と19の水質が改善することを確認する。No.15と16については、No.17閉塞後にNo.16から水をくみ上げて水質改善を図る。改善しない場合は、汚染源がピット周辺ではなくてピット内部にある可能性があると考えて、No.16から充填材を打設して両側の横引き管を閉塞し、No.15を隔離する。スケジュールは12頁。
その他に復旧したピットと未復旧のピットが連結しているのは、1、2号機周辺で1ヶ所(13頁)、3、4号機周辺で2カ所(14頁)。いずれも復旧したピットで放射能濃度の上昇は確認されず(No.40は一旦上昇したがその後は低下傾向)。

雨水処理設備の処理水排水に関する測定結果
雨水処理設備を用いたタンクエリア堰内雨水の処理水分析結果(PDF 16.8KB)
雨水処理設備を用いたタンクエリア堰内雨水の処理水散水場所における空気中放射性物質濃度および周辺の空間線量率測定結果(PDF 12.9KB)



IWJ中継
20141121 記者ブリーフ (80:42)


おまけ


規制委員会には検討会とか有識者会合とかがたくさんあるんだけれど、話に聞くところでは、それらは法的には責任を負わないみたいで、結局のところ、そこでの結論をどう扱うかというのは規制委の方でなんとでもできるみたいなんだけれど、それで正しい認識なのかしらん。「特定原子力施設監視・評価検討会」は国内唯一の特定原子力施設であるところの1Fのことについて検討するのだけれど、私から見ても「???」みたいな発言は結構あって、そういう発言はさりげにスルーされてるように見える。会の結論は始まる前から決まっていて、その日の検討の結果が結論に影響を与えることはほとんど無いようにも見える(検討される内容については、事前に東電と規制庁との間である程度のやりとりがあるんだと思う。彼らが日常的に情報を共有する場を持っていることは、被規制者との面談に関する規制委のウェブページを見ればわかるし、当然そうあるべきでもある)。規制委の決まりによって、検討会に召集される有識者は事業者から経済的な支援を受けている人は対象にならないので、原子力の専門家はほとんどいないっていう話も聞く(本当かどうかは知らないけど)。要するに何が言いたいかというと、この検討会は実質的に何かを決めるために開かれているわけではない、「一応は有識者の意見を聞きましたよ」という印を得るためのものなのではないか、というふうに見える、ということ。出席者はその場で見せられた資料について思いついたことを言いっ放し、規制委・規制庁も聞き置くだけでそれで実質的に何かを決めるわけではない。そういうふうに見えるんだけれど、間違ってるかしら。技術的な問題点について評価するための話し合いとして、ああいうスタイル(チェックすべき項目とか考慮するべき要件についてあらかじめ設定しないで、思いついたことをあげるだけ)で本当に機能するのか疑問。もっときちんとしたやり方があるんじゃないかと思うのは私がシロウトだから?

あと、これはまた別の話なんだけれど、出席者があんまり東電のこと悪く言うのもなんだか感じ悪くて嫌い。この日、凍結止水に関する経緯を報告するようにという話があった際に、福島県から来ているオブザーバーの人が「流動性の高いグラウト材があることを土木の人間が知らないはずがない。HTI連絡トレンチの閉塞にも使ってるんだから、東電はその存在を知っていたはずだ(したがって、凍結止水が必要ないことを知っていたはずで、にもかかわらずそれにこだわっていたのはおかしい)」というようなことを言っていた。でも、東電は、HTI連絡トレンチ閉塞で使ったグラウト材は今度海水配管トレンチで使おうとしている新規開発したものとは別物だということは繰り返し説明しているし、HTI連絡トレンチの閉塞ではトレンチの途中に充填材を入れるための穴を掘っていた(5月19日にその穴からトレンチ内へ地下水が流入して工事が一時中断した)ことは私でも知っている。HTI連絡トレンチの長さは約73mで海水配管トレンチよりも短いにもかかわらず途中に穴を掘ったのは、使用したグラウト材の流動性が低くて、途中で継いでやらないとトレンチ全長を充填することができなかったからだ。だから、HTI連絡トレンチで使ったグラウト材が今度使おうとしているものとは別物であるという東電の説明は正しいんだろう。それなのに、彼は自分の思い込みだけを根拠に「東電の言うことはデタラメだ」と東電の人がいる席で発言しているわけだ(他の人からもこの手の発言は珍しくないという印象を私は持っている)。
福島県が東電のことを恨んでいたとしてもそれは当然のことかもしれないけれど、根拠もなく中傷するような態度はいかがなものか。廃炉を実現するという目標を共有するのは東電と規制委だけでなく、福島県もそうだ。同じ事業を推進する同じチームにいるんだから、たがいに合理的な根拠をもって監視・批判し合う、そういう関係が作れたらいいんじゃないかと思うのだけれど、それを阻害するのはいったい何なのだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿