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2018年8月9日(木)

今日のお仕事


福島第一原子力発電所の状況について(日報)

プラント関連パラメータ(PDF) 午前11時時点

地下水バイパス、10:04に一時貯留タンクGr3から排水を開始
(以下、10日の日報より)16:35に排水を停止。排水量は1657m3

サブドレン他水処理施設、11:03-14:27に一時貯水タンクJから排水を実施。排水量は506m3


その他


昨日8日15時頃、3号機燃料取出しのための燃料取扱機(FHM)で不具合が発生。
FHMで使用済燃料プールの中のダミー燃料をつかみに行く途中で、FHMのマスト(先端に付いているつかみ具で燃料のハンドルをつかんで持ち上げる)を上下させるロープが破断したことを示す警報が発生し、FHMが自動停止した。当該のロープは実際には破断しておらず、警報の原因については調査中。自動停止の後、制御回路の一部をバイパスしてFHMをプールの外側へ移動させ、オペフロ上に着座させた。
FHMは3月16日より試運転をしてきており、ダミー燃料を移動させる作業はこれまで4回実施したが異常なかった。昨日8日より2日間の日程でクレーンとともに使用前検査を受検している最中で、警報が発生した際は、FHMでつかんだ燃料を電源喪失時に保持できるかどうかを確認する項目の検査をしていた。
予定では、使用前検査に合格の後、お盆明けから実機訓練に入る予定だった(7月26日参照)が、今回の問題が解決するまでは使用前検査に合格できない。なお、クレーンの検査はこれまでのところ問題ないが、検査の申請をFHMとクレーンで一括しておこなっているので、クレーンだけ合格することはできない。今後の予定は未定だが、11月の燃料取出し開始に向けて鋭意努力していく。クレーンのトラブルでは思い込みから真の原因に到達するのに時間を要してしまったので、今回は予断を持たずに調査をおこなって行きたい。
昨日のトラブルなのに今日の報告となった、資料の準備もない、報告の内容もあいまい、ということで、記者の皆様おかんむり。「使用済み燃料プールの直上で発生したトラブルなのに、このような報告なのは、周辺住民の感覚にそぐわない」という指摘も。FHMはすぐにプールの上から移動したんだし、急いでどうこうというトラブルでもないんだろうけれど、気持ち的にはそういうこともあるのかもね。報告の遅れについて「担当者は、まずはクレーンの検査受検に注力していて原因調査まで十分に手が回らなかった」という背景説明があったが、東電の広報の人がフォローして資料作るなりすればいいわけだし、なんだかね。こういう時にいつも思うんだけれど、現場の人と広報の人の意思疎通ってどうなってるんだろう。広報の人の要求がきちんと現場に通るようになってるのか、心配になっちゃう。

7日の4号機R/B地下たまり水移送ポンプ(A)の過負荷トリップの件。現場調査の結果、当該ポンプの故障により地絡が発生してトリップしたものと判明。今後、当該のポンプを予備品に交換する。

地下水バイパス一時貯留タンクの貯留水の評価結果
地下水バイパス揚水井のくみ上げにおける一時貯留タンクに対する評価結果について(PDF 77.5KB)
2015年11月12-16日と2018年6月25日-8月2日採取分のデータで評価を実施。結果は、運用目標を超えず。
地下水バイパス揚水井のくみ上げにおける一時貯留タンクに対する評価結果について(その2)(PDF 77.7KB)
6日のデータを追加して評価を実施。結果は、運用目標を超えず。
揚水井No.10でトリチウム濃度が運用目標をこえているため実施中。

サブドレン他水処理施設、一時貯水タンクK(5日採取)と集水タンクNo.5(3日採取)の分析結果
サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果(PDF 11.7KB)
一時貯水タンクの分析結果は東電、第三者機関のいずれも運用目標を超えず。トリチウム濃度は東電が850Bq/L、第三者機関が910Bq/L。全β濃度は東電がND(<2.1Bq/L)、第三者機関が0.59Bq/L。明日10日に排水の予定。

構内排水路の排水の分析結果(2015年3月4日参照)。8日採取分。
福島第一原子力発電所構内排水路分析結果(PDF 13.8KB)

実施計画の変更認可申請(2月28日提出)の一部補正を昨日8日に、変更認可申請(3月16日提出)の一部補正を今日9日に、規制委に提出。
東京電力ホールディングス株式会社 「福島第一原子力発電所 特定原子力施設に係る実施計画」の変更認可申請の一部補正について(プレスリリース)
補正1:サブドレンピット(No.30、37、57)の復旧。
補正2:中低濃度タンク(Eエリアフランジタンク)及びRO濃縮水移送ポンプの一部撤去。

1Fオリジナルグッズ(7月31日参照)の販売中止について。
7日までで販売を一旦中止。1-7日(4、5日は販売店舗が休業)の間に販売されたのは数百セット。1-3日の間に電話で来たクレームは10件未満。様々な意見があるのは承知している。ローソンの店舗は視察の動線から離れており、また、視察者には金銭を持ち込まないようにお願いしているため、販売形態として再考の必要があると考えている。その他にもいただいた批判に対して、どのような形がふさわしいかを検討する。批判があったので取りやめたわけではない。
つまり、最初から、とりあえず1週間やってみるという予定だったらしい。アドバルーンをあげるってやつ?



ニコ生
【2018年8月9日】東京電力 記者会見

文字起こし、実況など
さかなのかげふみ(@Spia23Tc)/2018年08月09日 - Twilog
08/09のツイートまとめ - モブトエキストラ(左利きの空想記)




1Fオリジナルグッズをめぐる人々の気持ちについて。
事故の被害者にすれば1Fは憎しみと恨みの対象であって、そこを訪れた人のためのお土産なんてものが存在すること自体があり得ない話だという気持ちは、ごく普通の感覚だと思う。一方で、1Fを職場にする人たちから見ると、1Fは自分の努力の成果が存在する場であり、そこで働いていた記念を手元においておきたいと思う気持ちもまた、ごく自然なものだと思う。
事故から7年以上が経過して、廃炉作業はまだまだ緒に就いたばかりだけれど、爆発の跡も生々しかった3、4号機R/Bの上部はすっかりキレイになってしまったし、津波と爆発のせいで散乱していたガレキもほとんど片付いてしまった。その代わりに、廃炉作業を進めるために設置された設備やタンクが敷地を覆ってしまった。事故後に建てられたものの方が、事故時にあったものよりも、もうずっと多くなっているのである。
1Fはもはや、被害者の被害感情が向けられるだけの場所ではない。その被害を回復しようとする努力を実践する場でもあるのだ。
1Fを見る人々の気持ちがどのようなものであろうとも、廃炉作業はこの先も粛々と続けられて行く。1Fが今、どのような姿であるのか。それを踏まえずに語られる気持ちたちは、そっとそのままにそこに置いておこう。被害者ではない私は、1Fでおこなわれてきて、この先もおこわれて行くであろう廃炉作業を、ただ畏敬の念をもって見ていきたいと思っている。




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