リンク切れ

現在、以下のリンク切れがあります:2016年1-3月のプレスリリース・報道関係各位一斉メール・日報、2014年3月以前の動画、滞留水のPDF資料、2012年のプレスリリースの一部。2012年のプラントパラメータ関連の一部。詳細はこちら。

2018年8月20日(月)

今日のお仕事


福島第一原子力発電所の状況について(日報)

プラント関連パラメータ(PDF) 午前11時時点


その他


2号機R/Bオペフロ内残置物の移動・片付け作業(5月31日、6月21日参照)を開始する。
福島第一原子力発電所2号機原子炉建屋 オペレーティングフロア内残置物移動・片付作業の開始について(PDF 100KB)
7月2-18に実施したオペフロ調査の結果(7月26日参照)、オペフロ内の空間線量率や汚染は今後実施する遠隔無人ロボットの作業(「オペフロ内残置物移動・片付け」および「オペフロ内残置物移動・片付け後調査」)に支障を与えるものではないことを確認できたため、準備ができ次第、オペフロ内の残置物移動・片付け作業を開始する。作業は2-3ヶ月の見込み。その後、オペフロ内残置物移動・片付け後調査を検討していく。
移動・片付けの対象は資料2頁左写真。遠隔無人ロボットとしてBROKK400D(Warriorの移動・フェンスの切断・片付等)、BROKK100D(残置物(小物)の片付・フェンスの切断・片付等)を使用する。また、BROKKが作業する上で死角になる箇所へのカメラワーク(作業状況により導入)でKobraとPackbotを使用する。
BROKKについては7月19日を参照。

R/B以外の建屋開口部でのダストサンプリング結果
福島第一原子力発電所 建屋開口部等における空気中放射性物質の核種分析結果(PDF 92.4KB)
7月10-11日、11-12日、24-25日、25-26日に実施。共用プールから使用済燃料をキャスクに移す作業(3号機使用済燃料プールから取り出す燃料を共用プールで収容するための空きを作っている)の際に実施したもの。

サブドレン他水処理施設、一時貯水タンクJ(16日採取)と集水タンクNo.3(14日採取)の分析結果
サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果(PDF 11.7KB)
一時貯水タンクの分析結果は東電、第三者機関のいずれも運用目標を超えず。トリチウム濃度は東電が700Bq/L、第三者機関が760Bq/L。全β濃度は東電がND(<2.3Bq/L)、第三者機関が0.45Bq/L。明日21日に排水の予定。

構内排水路の排水の分析結果(2015年3月4日参照)。19日採取分。
福島第一原子力発電所構内排水路分析結果(PDF 13.1KB)

ALPS処理水にトリチウム以外の放射性核種が含まれているという報道について、質問に答えて)多核種除去設備ALPSおよび増設多核種除去設備は、トリチウム以外の核種について告示濃度限度未満まで除去する性能を有していることを確認している(既設の多核種除去設備ALPS B系だけは、装置のトラブルの影響でこの確認ができていない)。ただし、129Iについては除去性能を維持するために装置を停止して頻繁に吸着塔の交換をする必要がある。敷地境界における追加的被曝線量を1mSv/年に抑えるために装置を停止せずに水処理を進めることを優先する運用をおこなっているため、告示濃度限度を超える濃度の129Iを含むALPS処理水が、既設および増設の多核種除去設備のいずれの処理水にも一部存在する。
ALPS処理水の処遇については、国の委員会の結論を待って対応を決めることにしており、まだ処分方法等については決まったものはない。
多核種除去設備ALPS(既設ALPS)は、RO濃縮水に含まれる放射性核種を除去する装置として導入された。2013年3月30日にA系でホット試験と称して実質的な水処理を開始。当初は、トリチウム以外の62核種で検出限界値未満までの除去性能達成を目指していた。その後、処理水中に4核種(60Co、106Ru、125Sb、129I)が検出され(2013年5月17日参照)、これらの除去についての検討が進められた。その結果、吸着塔の構成を変更することで、これら4核種についても十分な除去性能を達成できる見込みを得た(2014年9月22日参照)。ただし、129Iだけは吸着塔の吸着性能が短期間で低下するため、除去性能を維持するためには吸着塔を短期間で交換する必要があるという課題が残された(2014年7月31日参照)。
除去性能向上の見込みを得た後は、この吸着塔構成変更を既設ALPSに導入後、2014年12月よりホット試験から本格運転への移行が予定された(2014年7月31日参照)が、2013年9月19日に公表された「2014年度末までに汚染水(タンクに貯留しているRO濃縮水)の全量処理を完了する」という目標(2013年9月19日参照。このために既設ALPSに加えて増設ALPSと高性能多核種除去設備を増強することになった)を達成する必要から、変更のための工事は全量処理完了後へ先送りすることとなった(汚染水全量処理は2ヶ月遅れの2015年5月27日に達成された)。一方、増設ALPSは2014年9月17日よりA系のホット試験を開始した(2014年9月22日参照)が、当初から変更後の塔構成を導入して運転をおこなっていた。
当時、汚染水全量処理の他に、RO濃縮水の処理を急がなければならない理由がもう一つあった。それは、敷地境界における追加的被曝線量を、2014年度末で2mSv/年まで、2015年度末で1mSv/年まで低減するという目標の達成を規制委から要求されていたこと。タンクに貯留しているRO濃縮水に多量に含まれる90Srの崩壊で生じる放射線が敷地境界における被曝線量に影響を及ぼしており、タンクの貯留水(RO濃縮水)から90Srを除去するのを急ぐ必要があった。このため、増設ALPSでも、129Iを除去するために頻回の吸着塔交換をおこない稼動率を下げるよりも、吸着塔の交換回数を減らして処理量を稼ぐという運用方針が取られた(2014年12月19日参照。なお、敷地境界での追加的被曝線量を2015年度末で1mSv/年まで低減するという目標は達成された。2016年2月25日参照)。
以上のようないきさつにより2015年頃までは、既設ALPS、増設ALPSによるRO濃縮水の処理において、129Iは必ずしも告示濃度限度未満まで除去されているわけではないらしい。しかしながら、セシウム除去設備にSr除去性能が追加(SARRYが2014年12月、キュリオンが2015年1月。2015年1月19日参照)されて、新たにタンクに貯留される水にSrが含まれなくなったんだから、汚染水全量処理完了(2015年5月27日)以降、2015年度末の敷地境界における被曝線量1mSv/年を達成した後は、1mSv/年を維持するためにALPSの稼働率を上げる必要はなくなったんじゃないのかなぁ。
報道によれば、2017年度の処理水中の129Iの最大値が62.2Bq/Lということなので、割と最近まで(てか、今でも?)吸着塔の交換頻度を上げて129Iを告示濃度限度未満まで除去するという運用はされていないらしい。もしかすると、129Iだけのために吸着塔の交換をするのは合理的ではないという判断があるのかもしれない。増設ALPSは2017年10月16日にホット試験を終了して本格運転へ移行した(2017年1月16日、10月26日参照)のに対して、既設ALPSは依然としてホット試験中の扱いなのも謎だったんだけれど、ここら辺のこと(62核種を告示濃度限度未満まで除去するという実施計画の内容に沿った運用をしない理由があって、このためにホット試験から本格運転へ移行できない?)も関係しているのかしら。増設ALPSが本格運転へ移行する際の除去性能の確認試験結果(2017年1月16日参照)を見ると、129Iだけは告示濃度限度ギリギリ(他の核種は二桁以上低い)で、当初目標としていた「62核種で検出限界値未満」は最終的に達成できなかったことがわかる。
今日の会見では「ALPSには129Iの除去性能があるのは確かなのだから、必要があれば処理をするので問題ない」というのが東電の見解らしい。129Iについては、今後決定される処分法にしたがってしかるべき処理をすれば良い(例えば、希釈するとか)のであり、また、処理は可能であるから問題ない、処分法方が決まるまでは今以上の処理をおこなうつもりはない、ということみたいだった。けど、それでいいのかしらねぇ。今まで散々、「ALSP処理水にはトリチウムしか含まれない」って言ってきたのにねぇ。実際は、検出限界値未満だって含まれないわけではないから、ある/なしの話ではない。十分に濃度を低くできれば良い、ということなんだけれど(だから、東電の見解はこの意味においては筋が通っている)、そう簡単にことが運ばないから今まで色々苦労してきたのにね。

(以下、23日に追記)Kontan_Bigcat@Kontan_Bigcat さんがデータの海*へダイブしてグラフを作ってくれた。これを見ると、2015年度の後半からは出口水(処理水)中の129I濃度はほぼ告示濃度限度未満なのに、2017年度以降になるとむしろ濃度が上昇して頻繁に告示濃度限度を超えているのがわかる。それから、この間、入口水(処理前の水)の129I濃度は上昇傾向にある。

*東電のウェブサイトの福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果』というページに、1Fで採取された試料が分析されたデータが全て採録されている(らしい)。CSVファイルやPDFで見やすいものではないし、どこに何があるのかも探しに行かないとわからない。




(以下、28日追記)現在の東電の見解は、「多核種除去設備での処理は、処理水(ALPS処理水)をタンクで貯留するためにおこなっている。敷地境界での追加的被曝線量が1mSv/年を超えないように、処理水の濃度を調整する運用をおこなっている。」「多核種除去設備には、トリチウム以外の放射性核種を告示濃度限度未満まで除去する性能がある。」というもの(23日参照)。
じゃ、「一体いつから、多核種除去設備で告示濃度限度まで放射性核種の除去をおこなうと錯覚していた?」というと、多分最初から。
多核種除去設備の話が最初に出たのは多分2011年12月8日の会見*1。施設運営計画*2(その2)に液体廃棄物関連の内容として処理水の海洋放出のことを記載する予定があって、それについて漁連等に説明したところ12月6日に全漁連から抗議文*3を出されたということがあった。それで、液体廃棄物に関する部分は(その2)から分離して(その3)として12月15日に保安院に提出する*4ことになるんだけれど、12月8日の会見でこの経緯についての話が出ている。この時には「セシウム吸着装置の処理水をさらに処理する設備(のちの多核種除去設備)を作って処理をおこない、告示濃度限度を十分に下回る濃度にしてから海洋放出する」という話だった。当時は「タンクを未来永劫作り続けることはできない以上、施設運営計画の中で処理水の処分について方針を示す必要がある」「いずれは海洋放出することはあり得る」というのが東電の見解で、施設運営計画(その3)にはALPS処理水の海洋放出に関する記述が存在する。しかし、その後、関係者の反発が収まらないためか、「ALPS処理水の処分について決まったものはない」とトーンダウンしていく(会見で松本純一氏がこれを言っていた記憶があるので、遅くとも2012年9月までにはここまで後退していたことになる)。
さらにその後も、現在に至るまで、漁業関係者からALPS処理水の海洋放出について同意が得られることはなかった。特に、2013年はタンクからの大漏えいなどが重なり、全漁連からは度重なる抗議文*5が東電に提出された。そういう経過の中で、汚染水処理対策委員会の下にALPS処理水の処分方法を検討するトリチウム水タスクフォースが設置されることとなり*6、2013年12月25日に第1回会合が開かれる*7。これ以降、東電は、ALPS処理水の処分についてはこのタスクフォースとそれに引き続く「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会*8」の結論を待つとして、海洋放出を含む処分については完全に言及しなくなる。
また、2014年には地下水バイパス(2014年5月21日参照)、2015年にはサブドレン他水処理施設(2015年9月14日参照)と、くみ上げた地下水を海に放出する設備が運用を開始したが、これらを開始するときには、福島県漁連と長い話し合いを重ねることになった。というのも、地下水バイパスの時は汚染された護岸地下水の港湾への漏出問題(2013年7月22日参照)、サブドレンの時はK排水路排水問題(排水の汚染濃度が高いことについての情報公開が不十分とされた。2015年2月24、25日参照)と、運用開始に向けた話し合いが終盤に差し掛かったところで問題が持ち上がり、開始が大きく遅れることとなった。サブドレン運用開始の際には「原子力災害対策本部の「中長期ロードマップ」における、汚染水の海への安易な放出を行わないとする方針を今後も遵守し、漁業者、国民の理解を得られない汚染水の海洋放出は絶対に行わないこと」という全漁連の申し入れに対して、東電は「関係者の皆さまのご理解を得ながら対策を実施することとし、「海洋への安易な放出は行わない」との方針を今後も堅持してまいります」と回答している(2015年8月28日参照)*9
この間、上記のように、多核種除去設備ALPSは2013年3月にホット試験として処理を開始、性能向上のための改修を継続して2014年にはトリチウム以外の62核種について告示濃度限度未満まで除去できる見通しを得る。けれども、上に書いたような事情によって、実際に告示濃度限度未満までの処理が行われるようになったのは、Kontanさんのグラフを見ると、2015年度中旬以降らしい。その後、どのような運用がされていたのかについて、詳しくはよくわからないが、現状では冒頭に書いたような運用方針なのだそうだ。
まとめると、多核種除去設備は「告示濃度限度を十分下回る除去性能」を持つものとして設計され、ほぼそのような性能のものができ上がったが、実際にはその除去性能を100%使っていない運用がされている、ということ。東電は、そういう機械を作るとは言ったが、そういう処理水を作る運用をするとは言っていない(なぜなら、処理水の処分をする計画が存在しないから)、というわけ。
多核種除去設備について当初から「告示濃度限度を十分下回る除去性能」って言ってたし、その達成に向けて苦労してたので、当然にそういう運用をしてるんだろうと思っていたんだけれど、実は私がそう思っていただけだった、ということになる。「ALSP処理水にはトリチウムしか含まれない」と東電がいつ言ったか、いつまで言っていたか、改めて考えると、よく覚えていない。もしかしたら、もうずっと言ってなかったのかもしれないな。

*1 https://f1nps.blogspot.com/2011/12/2011128.html
*2 「事故の終息に向けた道筋」ステップ2終了から原子炉の廃止に向けての作業開始までの準備期間(3年程度以内)における1Fの安全を確保するための基本目標及び要件として示された「中期的安全確保の考え方」を実現するための計画。http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3487098/www.meti.go.jp/press/2011/10/20111003007/20111003007-1.pdf
https://f1nps.blogspot.com/2011/10/2011103.html
*3 https://web.archive.org/web/20150519185258/http://www.zengyoren.or.jp/cmsupload/press/60/20111208toudenhonsyakougi2.pdf
*4 https://f1nps.blogspot.com/2011/12/20111215.html
*5 https://web.archive.org/web/20141014120322/https://www.zengyoren.or.jp/cmsupload/press/69/20130125toudenkougi.pdf(1月25日)、https://web.archive.org/web/20141014120303/https://www.zengyoren.or.jp/cmsupload/press/71/20130307osennsuihousyutukizi.pdf(3月7日)、https://web.archive.org/web/20141014120252/https://www.zengyoren.or.jp/cmsupload/press/73/20130408toudenkougi.pdf(4月8日)、https://web.archive.org/web/20141014120234/https://www.zengyoren.or.jp/cmsupload/press/76/20130725gennpatuosennsuiyoubou.pdf(7月25日)、https://web.archive.org/web/20160415125409/http://zengyoren.or.jp/cmsupload/press/76/20130725gennpatuosennsuikougi.pdf(7月25日)。
ちなみに全漁連の最初の抗議文は2011年4月6日の https://web.archive.org/web/20160305113721/http://www.zengyoren.or.jp/oshirase/pdf/toudenkougibun.pdf 。
*6 【資料2】トリチウム水タスクフォースの設置について(案) (261KB)
*7 http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/20131225_01.html
*8 http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/archive/task_force4.html
*9 http://www.tepco.co.jp/news/2015/images/150828a.pdf

(以下、29日追記)2011年12月に東電が「タンクを未来永劫作り続けることはできない以上、施設運営計画の中で処理水の処分について方針を示す必要がある」と言っていたのは、当事者として責任ある態度だったと私は思う。でも、東電はこの当初の姿勢を貫くことができなかった。そのことをとても残念に思うし、そうせざるを得なかった事情を解決していく道のりは、これからが正念場になるんだろうか。明日、明後日に行われる説明・公聴会が実りあるものとなりますように。

(以下、10月28日追記)2015年3月16日に、当時進めていた汚染水全量処理の見通しについての報告があり、それについての記載の中に「現在、告示濃度限度を十分に下回らない4核種が処理水に含まれている(2013年5月17日参照)が、これについてはALPS処理水(いわゆるトリチウム水)の最終処分の方法の検討にあわせて再処理を検討する(この4核種を除去する対策は検討が済んでいる(2014年9月22日参照)が、これを実際に行うと吸着塔の交換が頻回になり処理能力が低下することが予想されること、および、対策のための工事期間中は処理が停止することから、RO濃縮水の処理を進めてリスク低減を図ることを優先して、既設/増設多核種除去設備での4核種除去の対応は延期された。2014年7月31日、12月19日参照)」とあった(自分で書いておいて、もう全然覚えてないわ)。当時、ALPSで処理した水の中には告示濃度限度を超えるものがあること、および、それらについては処分方法の検討に合わせて再処理を検討する(処分にかなう形になるように再処理をおこなうつもりである)ことが言われていたわけだ。


ニコ生
【2018年8月20日】東京電力 記者会見

文字起こし、実況など
さかなのかげふみ(@Spia23Tc)/2018年08月20日 - Twilog
08/20のツイートまとめ - モブトエキストラ(左利きの空想記)



0 件のコメント:

コメントを投稿