リンク切れ

現在、以下のリンク切れがあります:2016年1-3月のプレスリリース・報道関係各位一斉メール・日報、2014年3月以前の動画、滞留水のPDF資料、2012年のプレスリリースの一部。2012年のプラントパラメータ関連の一部。詳細はこちら。

2014年7月24日(木)

今日のお仕事


福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)(PDF 119KB)

プラント関連パラメータ(PDF) 午前5時時点 午前11時時点

滞留水の水位・移送・処理の状況(PDF)9時時点

1号機希ガスモニターB系、20日05:00以降欠測していたが15:00に測定を再開。
1号機格納容器水素ガス濃度B系、作業にともない11:00に欠測。
1号機T/B地下たまり水移送、10日より停止中。

2号機海水配管トレンチ凍結止水工事
2号機トレンチ凍結止水対策における氷の試験投入について(PDF 221KB)
12:30-15:00頃に、約2tの氷をトレンチ内へ試験投入した。明日はドライアイスを投入予定。凍結促進対策としての氷の投入については23日を参照。資料の写真、タングステンベスト?を着て作業してる。トレンチ立坑周辺は線量が高いらしい。
2号機T/B地下たまり水移送、22日より継続中。

3号機希ガスモニターA系、作業にともない09:00-11:00に欠測
3号機T/B地下たまり水移送、6月16日より継続中。

4号機T/B地下たまり水移送、2012年11月29日より停止中。

6号機T/B地下たまり水移送、18日より停止中。

水処理装置、キュリオンセシウム吸着装置、6月12日より停止中。
水処理装置、SARRY、6月9日より運転中。
多核種除去設備ALPSのホット試験。
A系:2013年3月30日に開始。除去性能向上対策評価のためのインプラント通水試験(1月20日のロードマップ進捗の項を参照)を1月24日より実施中。現在、15日より運転中。
B系:2013年6月13日に開始。現在、18日より停止中。
C系:2013年9月27日に開始。現在、6月22日より運転中。
2月12日よりA、B、C3系列による同時運転を開始。
C系で新たにすきま腐食が確認され、追加の腐食対策(6月17日参照)を実施。同じ対策を実施するためA系を8-15日に停止。B系では18日より停止して同じ対策を実施し、加えて、CFF1と2を改良型に交換する(18日参照)。今後、CFF1と2の交換はA系では8月上旬、C系では準備でき次第実施する予定。

T/B東側の観測孔で50万Bq/Lのトリチウムが検出された件(2013年6月19日、7月22日参照)
1-2号機取水口間のウェルポイントからの地下水くみ上げを実施中。
2-3号機取水口間のウェルポイントから地下水のくみ上げを計画的に実施中(2013年12月8日参照)
観測孔No.0-3-2からの地下水くみ上げを2013年12月11日より試験的に実施中。
観測孔No.1-16近傍の地下水くみ上げ用孔(No.1-16(P))から地下水のくみ上げを1月29日より適宜実施中。
福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(PDF 226KB)


その他


4号機R/B健全性確認(第9回目)の結果。
福島第一原子力発電所4号機原子炉建屋の健全性確認のための定期点検結果(第9回目)について(PDF 747KB)
6月19日-7月24日に実施。定例の4項目(原子炉ウェル・使用済燃料プールの水位測定、外壁面の測定、壁の目視確認、コンクリ強度確認)を実施。結果は異常なし。
なお、点検頻度については実施計画を変更しており(6月24日に認可)、外壁面の測定とコンクリ強度確認は年4回から年1回に減らす(次回は4項目を実施する予定)。

タンクエリアの雨水・汚染水対策の現状
福島第一原子力発電所タンク周辺の雨水・汚染水対策状況について(PDF 475KB)
福島第一原子力発電所タンク周辺の雨水・汚染水対策状況(02:13)(動画)
(動画の解説は会見の10:44以降
去年8月のH4エリアタンクからの漏えい以降に行ってきた対策について。
タンクパトロール(フランジ型タンクは4回/日、溶接型タンク2回/日)、タンク水位計による常時水位監視を継続実施中。
タンクエリア堰のかさ上げ・二重化、堰内の浸透防止のための被覆、排水用のポンプピット・排水ピット設置などは既設のエリアで完了。現在タンク設置作業中のD、G7、J1-J5エリアでは順次整備している。B、C排水路は暗渠化、止水ゲート設置が完了。出口は港湾外から港湾内に付け替え、側溝放射線モニターは運用を開始した(いずれも14日に運用開始)。

エリアキーパーの活動について。
『エリアキーパー』による現場管理の取り組みについて(PDF 446KB)
エリアキーパーによる現場パトロールの様子(02:49)(動画)
(動画の解説は会見の15:03以降
14のエリアを設定し、担当者(エリアキーパー)を決めてエリア内の状況(何があるか、誰が管理しているか、誰が何の作業しているか)を把握し管理する。事故後に緊急で作業をおこなってきたので、現場の仮設設備や工事機材の状況把握・管理が不十分でありトラブルの原因となっているので、これを改善する。その他にも問題があれば改善を指示し、解消する。5月よりエリアキーパーによる現場ウォークダウンを開始、7月23日時点で延べ128回実施。

新事務棟の運用を開始。
新事務棟運用開始について(00:39)(動画)
(動画の解説は会見19:00以降
1階部分が完成し、22日以降、約400名が執務している。壁に鉛の遮へいを入れる、窓をなくすなどで、空間線量率は0.3μSv/h(非管理区域)。

1号機R/Bカバー解体作業について。現在は、周辺のヤードの整備工事などを行うとともに、去年の3号機R/B上部ガレキ撤去作業でのダスト飛散を教訓としてダスト飛散抑制対策の強化について検討を進めている。なお、昨日の規制委で報告した去年8月19日のダスト飛散による放出量評価は保守的なものであり、さらにきちんとした評価をしたいと考えている。

5、6号機でトラブルが続いている事について、お詫びする。5、6号機では、炉心と使用済燃料プールの冷却に関係する設備にしぼって計画的な点検を実施してきたが、今回の事象を踏まえて点検のあり方を見直していきたい。運転停止した状態で冷却を3年も続けてきた経験がないので、現状に合わせた見直しが必要と考える(たとえば、運転停止しているので5号機補機冷却海水系のバルブをしぼった状態にしているが、これを3年も継続した事はない)。

雨水処理設備の処理水排水に関する測定結果
雨水処理設備を用いたタンクエリア堰内雨水の処理水分析結果(PDF 16.7KB)


ニコ生
【7月24日】東京電力 福島第一原子力発電所長 記者会見

文字起こし、実況など
政府・東京電力 統合対策室 合同記者会見: 東電会見 2014.7.24(木)17時30分 ~


おまけ


14日に書いた、南相馬市での米の基準値越えの件の関連で、去年8月の3号機R/B上部ガレキ撤去作業での放射性物質飛散について、ちょっとまとめてみる。

会見で報告された内容の時系列は以下の通り:
8月12日(月):12:33頃、免震重要棟前の連続ダストモニターで放射能濃度「高高」警報。13:08頃に入退域管理施設で10名が退出モニターで身体汚染を確認(この10名は12:35に免震重要棟前からバスに乗って入退域管理施設に来ていた)。熱射病対策として免震重要棟前で運用していたミスト発生装置の汚染が原因として疑われたが、調査の結果、有意な汚染は確認されず。この日以降、ミスト発生装置は停止。
8月16日(金):ダストの主要核種は134Csと137Cs。
8月19日(月):10:04頃、免震重要棟前の連続ダストモニターで再び放射能濃度「高高」警報。10:20に入退域管理施設で2名が退出モニターで身体汚染を確認(09:55に免震重要棟前からバスに乗車)。
8月21日(水):19日に風下のMP No.2で線量率が上昇(上昇幅としては通常の変動の範囲内だったが、レンジを拡大して精査した所、急激な上昇が確認された)していたのを確認。念のため3号機R/B上部ガレキ撤去作業を休止している。
8月29日(木):これまでの調査結果を報告(3号機R/B上部ガレキ撤去作業が原因と推定している事、再発防止対策など)。また、8月の原子炉建屋からの追加的放出量の評価結果を報告。3号機は0.03億Bq/h(前月は0.001億Bq/h)、R/B上部ガレキ撤去作業で高いダスト濃度を検出したためとコメント(原子炉上北東側のダスト濃度は3日、原子炉上西南西側のダスト濃度は22日の観測値を採用)。
9月12日(木):調査結果のまとめの資料を公表(木曜日なので会見なし)。
9月13日(金):12日の資料の説明。全面マスク着用省略可の運用を再開。
(なお、3号機R/B上部ガレキ撤去作業は8月20日-10月8日の間、休止した(再開はクレーンの不具合のために予定より遅れた))

14日の毎日新聞の報道魚拓)によれば、東電はこの件での放射性Csの総放出量を、敷地内や双葉町および浪江町のモニタリングポストで実測した空間線量率、気象データを基に試算し、放出量を最大4兆Bq(1時間当たりの放出量は1000億-1兆Bq、放出時間は計4時間)と評価、また、南相馬市には最大で1cm2当たり0.04Bqが沈着したとして、4月に農水省、6月に福島県に報告しているとの事。この数字については、14日の福島県でのレクでは説明があったらしいのだけれど、本店の会見ではいまだに正式には言及されていない。おそらく、3月に農水省から南相馬の米の話が来てから、改めて放出量の評価を行ったのだろう。
23日の規制委の第25回特定原子力施設監視・評価検討会で東電から示された放出量評価は、免震重要棟前で19日に観測されたダスト濃度から、2800億Bq/h×4時間(=1.1兆Bq)であった(資料2の10頁)。これは、去年8月に示した1-3号機R/Bからの追加的放出量評価の8月1ヶ月分よりも多い。
上の報道にもあるけれど、南相馬の米の基準値越えの原因がこの去年8月19日のダスト飛散であるという結論は出ていない。

南相馬の米の原因がこのダスト飛散だったのかは、まだわからない。けれども、MP No.2の観測値が上昇したのだから、敷地の外へダストが出たことは明らかだ。当時、東電はダスト飛散があったこと、敷地の外へもそれが飛んだことは公表している。8月のR/Bからの放出量評価も、23日規制委での評価と比べれば不十分とは言え、公表している。それなら、この件について東電の対応は十分だったかと言うと、私はそうは思わない。そもそも、今回の米の問題とは関係なく、去年9月にダスト飛散に関する調査結果がまとまった段階で、周辺住民への説明会を開催するべきだったと思う。なぜなら、それがお隣さんに対する礼儀だと思うからだ。
たとえば、自分の家で何かの工事なんかをする時は、前もってお隣さんに「ご迷惑をおかけします」とあいさつする。あるいは、子供の夜泣きとか犬猫のさかりとか酔っぱらったお父さんの深夜の帰宅とか、そういう時は事後的にでも一言詫びておく。そうすることで騒音が低減することはないのだけれど、迷惑を受けるほうの気持ちは幾分楽になる。一言詫びることが、「その事態については遺憾に思っている」という加害者側の立場を互いに共有することにつながるからだと思う。
未来のことは誰にも判らないのだ。だとすれば、未来に起こりうる嫌な出来事を回避するためのよすがは、自分が嫌だと思っていることを相手もまた回避したいと思っている、という事実なのではないか。相手がもしそう思っていてくれるなら、その嫌なことは確かに回避できるかもしれない。そして、相手のその気持ちがお愛想ではなくて本当にそう願っているかどうか、というところは、直接に対面して話す時の、しぐさとか目付きとか声の感じとか、話の内容とは別の要素によって評価されるんだろう。だからこそ、「ご迷惑をおかけします」というあいさつは、伝言や紙ではなくて足を運んで出向くというスタイルがしばしば要求されるんだと思う。
直接会って、お詫びする。そのことが、再発防止という未来に対する信頼を生むのだ。
(技術者から見れば、技術的な対応をとることこそが未来に対する保証だと思うのだろうけれど、そういう認知機能における回路は経験によって獲得されるのであって、素人にはそんな回路は存在しない。素人は今書いたような回路で信頼を得ているのだ。根拠は、N=1の実例。さらに言えば、どんなに技術的に良く練られた対応を計画しても、実際にそれを実施し監督するのは東電なのだから、結局のところ、問題は東電にそれをやる気が本当にあるのかないのかということなのだと思う)
今回のことで、1Fはまだまだ何かあれば周辺に影響が及ぶ状態なのだということを、改めて思い知らされた。もちろん、事故後ずっとR/Bからの放出はゼロではないし、すでに放出された放射能による放射線被曝もある。それは、海外ならありふれたレベルの線量かもしれないけれど、事故がなければ無かったはずのものだ。それを、周辺住民は、1Fがそこにあるから、というだけの理由で受け入れざるを得ない。それなのに、毎日ちょっとずつ出てるんだから、少しくらい増えても有意な変化はない、なんて、出してるほうが思うなんて許される訳がない。毎日迷惑をかけているからこそ、少しでもそれが増えるようなことがあったら、きちんと説明をするべきなんだと思う。それがなければ、この先40年続く廃炉作業を周辺住民が受け入れられる訳がない。
廃炉作業が着実に進むこと自体は、周辺住民にとっても利益となる。そこは東電と利害の一致するところだ。けれども、その過程で何か問題が起きるのは困る。だから、そういうことがないようにしてもらいたい。それが保証できないなら、廃炉作業を進めることは認められない。住民がそう思うのは無理ない。けれども、100%保証しろというのも無理な話だ。最後は信じてもらうより他はない。だからこそ、東電は周辺住民を対象として説明会を開くべきだ。月1回くらいでプラントの作業について説明したらどうだろうか。それを通じて周辺住民に「リスク低減について、やる気はあるのだな」と認めてもらえれば、地下水バイパスみたいに1年も作業が動かない、なんて事は避けられるのかもしれない……かな。いや、地下水バイパスの時も県漁連の会議に通って説明を続けた結果があれだったもんな。でも、やっぱり、直接説明する場を持つのは、最低限の礼儀だと思うよ。(廃炉作業の推進が互いの利益であるというのは、東電と規制側の関係と似ている。これについては2013年10月3日に書いた)
ところで、東電は事故原因の報告書が出た時に、周辺住民への説明会ってやってないよね。鉄道とかの事故では普通にやると思うんだけど。まぁ、あの報告書は東電自身が津波の被災者だという結論だったから、当時はそういう発想がなかったのかもしれないけど、原子力改革タスクフォースの発足後は事故の原因は自分達にあるっていうふうに変わったのだから、改めて説明会やればいいと思うんだけれどな。
会見をずっとヲチして来て、東電の被災者に対する態度についてなんかこうそぐわない感じ(「周辺住民のみなさまには事故以降、ご心配とご迷惑をおかけして」っていうの聞くたびに、とって付けたような印象を受ける)がしてたんだけれど、この対面での対応(二人称の関係とでも呼んだらいいかしら)が欠けているからなんじゃないか、と、今回の米の報道を聞いて思うようになった。もちろん、すべての家を回って説明するなんて現実には無理だろうし、集まってもらって説明会を開くのだって、今の会見の様子を見ていればただじゃすまないかもしれないことは想像がつく。でも、そういう形でしか得られないものは、あるんじゃないだろうか。
今後の会見は現地からの発信を強化して行くという方針らしいけれど、あれはあくまでマスメディア向けの会見であって、私がここで書いてるようなものではない。あの場では、周辺住民は第三者としてしか存在できない。そうではなくて、廃炉作業に関することで、東電と周辺住民との間に二人称の関係が成立するような場があったらいいんじゃないかなぁ。

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