リンク切れ

現在、以下のリンク切れがあります:2016年1-3月のプレスリリース・報道関係各位一斉メール・日報、2014年3月以前の動画、滞留水のPDF資料、2012年のプレスリリースの一部。2012年のプラントパラメータ関連の一部。詳細はこちら。

2016年3月3日(木)

今日のお仕事


福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)(PDF 20.6KB)

プラント関連パラメータ(PDF) 午前5時時点 午前11時時点

滞留水の水位・移送・処理の状況(PDF)12時時点

1号機R/Bカバー解体作業
本日の作業実績(PDF):資機材整備。モニタリングポスト、ダストモニターに有意な変動は無し。
明日の予定:資機材整備。

3号機格納容器ガス管理システム、信頼性向上のための工事(配管の一部に使っているフレキシブルチューブおよび樹脂製ホースの鋼管化)で停止(計画的に運転上の制限外に移行)。作業は09:31に開始。
(以下、4日の会見資料より)作業が終了したので14:53に当該設備を起動。その後、当該設備の動作確認において異常がないこと、短半減期核種の指示値に有意な変動がないことから、18:10に運転上の制限内に復帰。

多核種除去設備ALPSのホット試験。A系で2013年3月30日より、B系で2013年6月13日より、C系で2013年9月27日より実施中。A系とC系は2015年5月より実施していた長期点検・改造工事(2015年5月25日参照)が終了し、2015年12月4日より処理運転中。B系は2015年12月4日より長期点検・改造工事を実施中(2015年12月17日参照)
増設多核種除去設備のホット試験。A系で2014年9月17日より、B系で2014年9月27日より、C系で2014年10月9日より実施中。
高性能多核種除去設備のホット試験。2014年10月18日より実施中。

雑固体廃棄物焼却設備、2月8日よりホット試験を実施中(1月28日、2月23、25日参照)
(以下、4日の会見資料より)今日3日19:28にホット試験を終了。終了後の状況については、異常がないことを確認。


その他


2月22日に5号機使用済燃料プール内で浄化フィルターが燃料ラックの上に移動していた件(2月22、23日参照)
通常、当該フィルタを使用した水移送作業終了後に、ホースからの水漏れリスク低減およびクラッドによる線量上昇防止の目的から、プールの外の床面に敷設されているホースは中の水を空気に置換する作業を行っている。今回は通常時間よりも長く空気置換をおこなったことにより、プール内に敷設されている水中のホースおよび当該のフィルタ内まで空気で置換されたため、浮力が増してフィルタが浮き上がり、燃料集合体ラック上部に移動したものと推定。なお、再現性確認を実施した結果、当該フィルタおよび水中のホース内の水がほぼ空気に置換された段階で浮き上がり事象が発生することを確認した。
今後の対策として、水移送作業終了後のホース内空気置換の際、床面に敷設されたホースのみを空気置換できるようなライン構成を追加し、当該フィルタの使用前後はフィルタの設置状況について確認を実施する。

地下水バイパス、1日排水時の海水サンプリング結果
福島第一原子力発電所 地下水バイパス排水に関するサンプリング結果 (南放水口付近)(PDF 118KB)

サブドレン他水処理施設、一時貯水タンクC(2月26日採取)と集水タンクNo.1(2月23日採取)の分析結果
サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果(PDF 16.8KB)
一時貯水タンクの分析結果は東電、第三者機関のいずれも運用目標を超えず。トリチウム濃度は東電が550Bq/L、第三者機関が570Bq/L。明日4日に排水の予定。

側溝に敷設されている耐圧ホースからの水の漏えい(2015年5月29日参照)の件。
福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果(PDF 10.9KB)
2日採取分。

凍土遮水壁試験凍結の状況
福島第一原子力発電所陸側遮水壁試験凍結の状況について(PDF 1.40MB)

地下貯水槽からの漏えい(2013年4月6日、5月16日参照)に関連して、地下貯水槽No.1周辺の観測孔A11からA17で1日に採取した地下水の全β放射能濃度が上昇した件(2日参照)
地下貯水槽i~iii周辺観測孔 全ベータ分析結果(PDF)
2日に観測孔A1からA19で地下水を採取し分析した結果、A1からA10とA18、A19の全β放射能濃度は前回の結果(すべて検出限界値未満)に対して上昇しているものがあるのを確認した。また、A11からA17では1日の結果よりも低下した。観測孔の位置は、例えば2013年4月30日の資料(地下貯水槽の漏えいに関わる本日(4/30)の作業実績(PDF 763KB))を参照。
地下貯水槽 分析結果(2016年3月2日分)(PDF)
地下貯水槽No.1のドレン孔水および漏えい検知孔水の分析結果は前回と変わらない状況。
地下貯水槽No.1および周辺の配管の目視点検をおこなった結果、漏えい等の異常がないことを確認。また、地下貯水槽観測孔A16、A17周辺(地表面)の放射線測定を行った結果、高線量の箇所は確認されていない。今後は当面の間、観測孔について監視を強化する。

構内散水の核種分析結果
福島第一原子力発電所 構内散水試料分析結果(PDF 7.47KB)
5・6号機滞留水RO処理水HタンクD4。前回は2月9日。

今日、規制委の第41回特定原子力施設監視・評価検討会があった。その際の資料。
(第41回特定原子力施設監視・評価検討会)今後のタンクの運用計画について(PDF 1.69MB)
現状(3頁)。溶接型タンクの建設が当初想定より遅れている。また、地下水ドレンのくみ上げ水のトリチウム濃度が高いために一部をT/Bへ移送しているために汚染水の発生量が想定よりも増加している。これらにより、ALPS処理水を貯留する溶接型タンク容量が逼迫し、既設/増設/高性能多核種除去設備の処理が停滞。さらに、Sr処理水を貯留できる溶接型タンク容量も逼迫し、日々発生するSr処理水を溶接型タンクで貯留することが困難となった。
課題と対応方針(4頁)。1.汚染水発生量増加によるSr処理水発生量増加:フェーシング、サブドレン、凍土遮水壁などで親流入量を抑制する。2.ALSP処理水を貯留する溶接タンクの容量が少ない:溶接型タンク建設計画を確実に実施するとともに、2016年に追加設置。3.Sr処理水を貯留する溶接型タンクの容量が少ない:フランジ型タンクを使用(汚染水発生量抑制および溶接型タンク追加設置に時間を要するので。2月16日より使用開始)。
溶接型タンクの追加設置(5頁)。2016年に新規エリア(J9/K4エリア)に溶接型タンクを40,000m3追加設置する。
フランジ型タンクの使用(6頁)。Sr処理水を受け入れているフランジ型タンクの空き容量を再度Sr処理水の貯留に使う。溶接型タンクに比べて信頼性の低いフランジ型タンクを使用する際の留意事項として、使用前の外観点検を実施、4回/日のタンクパトロール、フランジ型タンクの堰内雨水を優先して回収・処理(漏えい検知性の向上、漏えい時の影響緩和)、フランジ部の補修剤等(検討会での話だと、底板補修のことらしい。2014年10月27日、2015年11月25日参照)を準備、漏えい発生時の移送先としてタンクを確保、を実施する。
対象となるSr処理水用フランジ型タンクの貯留状況(8頁)。エリアE(グループA、E)、C(グループA、B)、G4(グループA、B、C)、G6(グループA、B、C、D)が対象(漏えい発生時の受け入れ容量を含む)。フランジのタイプはType3、4、5(Type 1、2は対象外。フランジのタイプは16、17頁)。
Sr処理水またはALPS処理水を受け入れた場合のタンク内濃度の評価(9頁)。すでに受け入れを開始しているエリアEと次回予定のエリアG4で「残水+受け入れ分」の水の評価を実施。告示濃度限度比が高い90Srの想定濃度は、どちらを受け入れても大きく変わらない(他エリアでの評価は18頁)。
フランジ型タンクの使用期間(10頁)。フランジ型タンクのSr処理水受け入れは凍土遮水壁の効果が発現する5月中頃までと想定。その後はフランジ型タンクに貯留しているSr処理水を日々発生するSr処理水とともに多核種除去設備で処理していく。Sr処理水を貯留するフランジ型タンクの使用期限は2016年度内と試算(凍土遮水壁により汚染水発生量が250m3/日に抑制できた場合。500m3/日が継続した場合は、さらに長期間の使用となる見込み。水バランスシミュレーションは11、13頁)。
凍土遮水壁の効果発現が遅れた場合(12頁)。フランジ型タンクの使用期間が長くなることに備えて、フランジ型タンクに貯留するSr処理水を順次、多核種除去設備で処理しリスク低減を図るための準備(多核種除去設備からエリアEのフランジ型タンク(RO濃縮水の残水処理中)への移送ライン設置。6月頃に運用開始予定)を開始する。スケジュールは14頁。また、Sr処理水貯留後に空になったフランジ型タンクにALPS処理水を貯留するためのライン設置も、凍土遮水壁の効果の状況を見ながら判断する。
他エリアのフランジ型タンクの状況(15頁)
タンクエリアマップ(19頁)
(第41回特定原子力施設監視・評価検討会)陸側遮水壁の閉合について(PDF 3.05MB)
凍土遮水壁の凍結閉合について、今後は実施計画の変更を申請して細かいところを詰めた上で、認可されたら運用開始となる。
以下は規制委のサイトより。
資料1:地震及び津波の対策に関する評価並びに今後の評価・確認の進め方について【PDF:224KB】
排気筒については、高さがあることが地震時のリスクの原因となっているので、とりあえずはリスクが低減できる高さまで上部を撤去する。内面が事故時のベントにより汚染されているので、遠隔で撤去する装置の開発を進める予定だが、実際に撤去が終わるまでは年単位の時間を要すると思う、とのこと。
建屋の津波対策として開口部の閉止をしているという東電の説明に対して、外部専門家(大熊町商工会会長)が「もっと一目見てわかるような対策をしてほしい。他の発電所でやっている防潮堤みたいな」という趣旨の発言をしていた。東電の松本さんは「仮設防潮堤は作ったが、もっとしっかりした防潮堤を作るには建屋の近くで継続した作業が必要となり、作業者の被ばく線量が増える。これを避けるために、同等の効果を期待できる建屋開口部の閉止を行っている」その後も「(仮設防潮堤について)土のう(←石の詰まった蛇籠)を積んだみたいなのでは」「土のうではなくて、もう少しちゃんとしたものです。地域の皆様にもご理解いただけるように丁寧にご説明を心がけたい」みたいな感じだった。「一目見てわかる」って言うけど、例えば浜岡原発に新設した防潮堤の能力がどういうものかなんて一目見ただけでわかるもんか。わかった気になってるだけじゃない。物事を理解する、理解できるよう努力する、そういうところで手を抜いていると、とんでもない話をつかまされて自分では気づくことができない。大熊町の現状も、その原因の一端はこういうところから来ているんじゃないのか。一目見てわかるなんて、実際の状況がどうなってるかはどうでもいいってことじゃない。そんなことを平気で要求できる感覚がわからない(実際の状況なんかどうでもいいっていう話は2月24日にも書いてた)。
参考1:東京電力福島第一原子力発電所の中期的リスクの低減目標マップ(平成28年3月版)について(平成28年3月2日原子力規制委員会資料)【PDF:3MB】
当日作成資料:特定原子力施設監視・評価検討会(第41回会合)議論のまとめ[原子力規制庁]【PDF:160KB】
フランジ型タンクのSr処理水貯留延期について「今回のような状況が想定されるような場合には、十分なリードタイムをもって相談すること」だそうだけれど、事業者が報告しないと気が付かない規制って意味あるんだろうか。
以下は、後日動画を見ての感想。「早めに相談しろ」という記載の元になった1F事故対策室長の発言の趣旨は「直前に話を持って来たのは有無を言わせず認可させるためではないか」というものだった。また、フランジ型タンクの使用延長の件でも、「タンクに入れる水がSr処理水とALPS処理水でタンク内の放射能濃度に違いが出ないのはタンクに残水が沢山あるからだ。残水のあるタンクを選んでそう見せかけたいのではないか」という陰謀論を安井審議官が言っていた。こういうの、それなりの根拠があるなら良いんだけれど、思い付きなだけなので、東電に反論されるとすぐに引っ込めちゃうんだよな。そんなことなら言わなきゃいいのに、東電に甘く見られたら沽券に関わるとか思ってるのか。
規制側と被規制側は、安全を実現するという共通の目標のために仕事してるわけじゃん。それなのに、こういうこと言うの、いい影響なんてひとつも無いだろうに、全然分かってないよね。
IAEAがまとめた「政府、法律および規制の安全に対する枠組み(GSR Part1)」という文書について紹介した記事(『もんじゅ判定の疑問、規制国際標準をなぜ守らないのか』河田 東海夫)を読んだのだけれど、その中から引用すると
規制と事業者側との連携につい規定する要件21では、事業者との間の公式・非公式の対話の仕組みを、専門的で建設的な連携をはかりながら構築し、さらに公式ながら率直で開放的な関係を通じて、相互の理解と敬意を醸成することを求めている。相互信頼に基づく「協業」的関係を求めているのである。
ですって。本当にその通りだと思う。「相互の理解と敬意」に基づく規制こそが安全を実現するんだってことは、世界の常識みたいですよ。たいした根拠もなくうがった見方を事業者につきつけて相互の理解と敬意を破壊する規制がどれだけ有能なのかしらね。世界一厳しい規制だって自画自賛しているそうですけど。
そもそも、安全が達成されているかどうかを合理的な指標でモニターするのが規制だと思うんですけど、タンク足りないの直前になって報告されるまで気が付かなかったことについて、規制委自身は反省しなくていいんでしょうかね。

ここへきて溶接型タンクの容量が不足しているのは、直接には、海側遮水壁閉合で地下水ドレンからくみ上げる水の量と放射能濃度が想定より高かったためだけれど、凍土遮水壁の運用開始が遅れているのも原因の一つ。そもそも、凍土遮水壁は山側から閉合してく予定で、実施計画の申請や工事も山側が先行していて、2015年4月には山側の一部(先行凍結部分)は稼動できる状態になっていた(海側は海水配管トレンチを横断しなければならず、当時おこなっていた海水配管トレンチの充填・閉塞の成行きがどうなるかと絡んでいたため、山側が先行していた)。しかしながら、凍土遮水壁の運用には建屋地下たまり水が流出する危険性が排除できない(凍土遮水壁の閉合後に建屋周辺地下水位が建屋地下たまり水水位より低くならない保証がない)と言う理由で規制委が運用開始の許可を出さず、その後1年が経つ(山側の工事完了が見えてきても運用開始の見通しが立たないため、とりあえず試験凍結という形で山側の先行凍結部の凍結を2015年4月30日に開始し、その後に本格的な運用開始を目論んでいたらしいのだけれど、結局、その後も山側の本格凍結はできなかった)。規制委が建屋たまり水流出の危険性を排除できないと言う根拠は、遮水壁運用時の想定に使用している地下水の浸透流モデルが信用ならないから、というもの。確かに、海側遮水壁の閉合で地下水ドレンからのくみ上げ水が想像以上に多かったりして、地下水の挙動については完全に予測できていないのは事実だ。でも、やってみなければわからないことはやらない、では、廃炉なんか到底できるもんじゃない。浸透流モデルが信用ならないなら、どこが問題でどこをいじれば精度が向上するのか、そういうところでケチをつければいいのに、信用ならないからダメって言うんじゃ、一歩も進めない。建屋周囲の地下水位が想定以上に低下した場合には、サブドレンのくみ上げを停止する、凍土壁をぶち壊す、注水井から注水する、建屋地下たまり水を緊急移送する等の対策も準備しているのに、なんでそれじゃダメなのか、私にはよくわからなかった(結局、凍土遮水壁は海側から先行して凍結すべしという規制委の主張に東電が歩み寄ることで許可が下りる見通しとなった(2月15日参照)。海側の工事が完了したのは2月9日)。
この1年間、東電としてはいつでも稼動できる凍土遮水壁の運用開始の時期をうかがいながらタンクの建設・リプレース計画をいじってきたのではないだろうか。それが結局この時期になったことで、ギリギリまで待っていたために溶接型タンクの容量不足という事態になったんじゃないかなぁ、と、想像するのだけれど、どうだろう。
もうひとつ、タンク建設に関する実施計画の認可に時間がかかっている(2015年11月25日参照)ことも、タンクが不足する要因みたいなのだけれど、それについては、よく知らないし分からない。

2月7日にも同様のツイが出てたけど、どうもね。



ニコ生
【2016年3月3日】東京電力 記者会見

文字起こし、実況など
政府・東京電力 統合対策室 合同記者会見: 東電会見 2016.3.3(木)17時30分 ~

0 件のコメント:

コメントを投稿