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2018年11月4日(日)

今日のお仕事


福島第一原子力発電所の状況について(日報)

プラント関連パラメータ(PDF) 午前11時時点

サブドレン他水処理施設、10:01-12:33に一時貯水タンクJから排水を実施。排水量は376m3


その他


サブドレン他水処理施設、一時貯水タンクK(10月31日採取)と集水タンクNo.2(10月29日採取)の分析結果
サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果(PDF)
一時貯水タンクの分析結果は東電、第三者機関のいずれも運用目標を超えず。トリチウム濃度は東電が940Bq/L、第三者機関が1000Bq/L。明日5日に排水の予定。






おまけ


この日、いわき市で「海と私と命と暮らし 市民シンポジウム~汚染水、流したらどうなるの?~」というシンポジウムがあったそうで。
これの開催告知のポスターに書いてある文章を以下引用:
福島原発事故を起こした原子炉は、今も大量の水で冷やされ続け、地下水も流れ込んでいます。高濃度の放射能を含む水は、一旦、除去設備(ALPS)を通し、タンクに貯められています。タンク敷地が限界だとする国などが、汚染水は放流する以外にないと主張しています。
しかし、トリチウム以外の放射線核種が、取り切れずに規制値を超えて残っていることが明らかになりました。もしも放流されたら、その影響は本当に計り知れません。
東電としては、ALPS処理水を環境に放出する際にはALPS等で2次処理をして告示濃度限度未満にするって明言している(10月4日参照)わけなんだけれど、全然聞いてもらえてないよね。こういうシンポジウムを主催する人なら、この問題に関する情報についてはそれなりに収集しているはずだと思うんだけれど、聞いたことがないのか、知っててっあおているのか、あるいは東電の言うことは全て信用ならないと思っているのか。
事実関係を共有するのが話し合いの基本っていうか、原点なんだと思うので、こういう態度でことに臨む人たちとともに事態を前進させていくことは難しい。かと言って、ALPS処理水の処分はほっとけばいい問題ではないし、なにがしかの対応を実現することが地域の人たちの利益だ。事態を膠着させるのが利益になる人というのは、例えるなら、戦争が終結しては商売上がったりの武器商人のようなものだ。戦場に住んでいる人たちじゃない。
こういう人たちはもう相手にしなくてもいいんじゃないかっていう気もする。

10 件のコメント:

  1. 「ALPS処理水の処分はほっとけばいい問題ではないし、なにがしかの対応を実現することが地域の人たちの利益だ」というのはそのとおりです。
    東電や原子力規制庁は「ALPS処理水(結局は放射能汚染水)を環境に放出に反対して、地上で管理しましょう」という人たちと、どうして話し合いができないのでしょうか?
    なぜ「こういう人たちはもう相手にしなくてもいいんじゃないかっていう気もする」のでしょうか?
    環境に対する価値観の違いを多数決で判断することだけが私たちの知恵なのでしょうか。教えてください。

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    1. ペレンドラさん
      コメントありがとうございます。もう長いことこのブログをやってますが、コメントをもらうことがほとんどないので、とてもうれしいです。
      さて、みっつの疑問をいただいたと思います。とりあえず今日は、そのうちのひとつ(なぜ「こういう人たちはもう相手にしなくてもいいんじゃないかっていう気もする」のでしょうか?)についてお答えしてみたいと思います。
      東電はALPS処理水について、放出する前に2次処理をしてトリチウム以外の核種の濃度を規制値以下にすると発表しました。ですから、それを受けての反応は「規制値以下なら問題ない」「規制値以下でも問題だ」「東電の言うことは信用ならない」みたいなものになると思うのですが、件のシンポジウムのポスターにある文言を文字通りに受け取れば、「規制値以上なので問題だ」と言っていることになります。つまり、東電が2次処理をすると言ったことが全く考慮されていない。こういう態度は話し合いをこころざすものの態度ではない、と私は思うのです。相手の言ったことを完全に無視し、事実関係を共有することを放棄しているのですから。「相手にしなくてもいいんじゃないか」と言ったのは、そう言う理由からです。

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    2. 今日は、「東電や原子力規制庁は「…どうして話し合いができないのでしょうか?」という疑問にお答えしようと思います。この件について、東電と規制庁(というか、規制委員長)の見解は別だと思うので、今日は東電について。
      ALPS処理水の処分方法について、「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」の結論に従うというのが東電の公式の見解です。ですから、地上保管が良い処分方法であり採用すべきだと小委員会が結論すれば、東電はこれを採用することになると思います。この件について東電が話し合いの場に出てこないのは、東電自身が処分方法の決定に関わることが現実には困難だと彼らが考えているからです。東電は2011年から、いずれはALPS処理水の処分が必要になる、方法としては海洋放出がふさわしい、と考えていたのですが、それについて立地自治体や関係団体(特に福島県漁連)と合意することができなかったようです。このような経験を通じて、処分方法の決定には関わらないという結論に至ったのだと思います。

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    3. 東電と福島県漁連との話は、8月20日の記事にも書きましたので、興味があればご覧ください。

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    4. さて、間が空いてしまいましたが、今日は規制委員長について。
      歴代規制委員長のこの件についての見解は「ALPS処理水の処分は、海洋放出一択。技術的には全く問題なく、議論の余地はない」というものです。この見解は、いわゆる「原子力村」の中でも多数派のものでしょう。なぜなら、彼らはトリチウムを含む処理水の海洋放出がすでに世界的に実績のある方法であり、特段の問題を生じていないことを知っているからです。問題のない方法をさける理由がない、ということなのでしょう。世界中で行われている処理水の海洋放出については、小委員会の公聴会資料にも載っていますので、ご確認ください。

      また、規制庁は事業者の実施する事業について規制するのが立場ですから、今後、東電がALPS処理水処分の具体的な方法を決めて実施に移す前に、規制庁がその内容を審査して規制を行うこととなります。もし、その方法が何か問題(例えば環境に悪影響をもたらすとか)を生じるものであれば、事業実施の認可が下りず、東電は処分を行うことができません。そういう形で規制庁はこの問題に関わることになるのだと思います。

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    5. ペレンドラさんは、地上管理を選択したいとお考えでしょうか。
      そもそも、現状のタンク貯留が1Fの敷地内で面積的に限界を迎えようとしているのがALPS処理水処分を行う動機ですから、地上保管と言っても現状の1000トンタンクではなく、公聴会の中で提案された、もっと大きいタンクを新設しての保管のことを指しているのだと思います。この方法が技術的・経済的に現実的なのかどうか、私にはわかりません。トリチウム水タスクフォースで他の方法が技術的に検討されたように、大型タンクによる地上保管についても評価を知りたいところです。

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    6. さて、今日は最後の問い「環境に対する価値観の違いを多数決で判断することだけが私たちの知恵なのでしょうか」について、私の考えを書きたいと思います。
      すべての人は、その来し方によりそれぞれの価値観を持っています。誰一人として全く同じ価値観を持っている人はいないでしょう。それらの価値観はすべて同じ重みで尊重されるべきであると思います。けれども、人によって価値観に違いがあるということは、時により、内容により、それらすべての価値観を尊重するのが難しいことがある、ということでもあります。むしろ、すべての価値観が現実に実現する方が、ありえないことでしょう。だとすれば、このALPS処理水の処分をどうするかを決める際の評価軸として、「環境に対する価値観」のように多様性が予想されるような価値観を主眼に持ってくることは適当ではないのかもしれません。
      「ALPS処理水の処分はほっとけばいい問題ではないし、なにがしかの対応を実現することが地域の人たちの利益だ」と書いたように、今、必要なのは、この問題を解決するために処分方法をひとつ選ぶことです。
      すべての価値観が同時に実現することが不可能である以上、もっと切実なものに対する価値観、例えば健康や経済など、生活や命に直結するような価値観を評価軸に据える方が、より結論が収斂しやすいのかもしれません。これにしても、すべての人が納得するような結論を得るのは難しいでしょうが、少なくとも、「環境に対する価値観」よりは具体的で実際的な比較検討が可能になると思います。この際に、事実関係がどうなっているか(処分方法ごとの予想されるリスク、費用、風評や健康への影響など)についてはきちんと話し合いの中で共有されていることが前提です。そこが共有されなければ、方法ごとに比較検討することができないからです。そして、それらの情報のいくつかは、地上保管を除いたそれぞれの方法について、トリチウム水タスクフォースで明らかになっていると思います。

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    7. どの方法が選択されても、すべての人の価値観を実現させることはできません。必ず不満に思う人が出てきます。その人たちにどう報いれば良いのか、私にはわかりません。とても難しい問題だと思います。ひとつだけ、できることは、不満に思う人たちに対して決して決裂をしないこと。その方法を選んだ理由について、そして、実行した結果について、説明し続けること。それだけは、やろうと思えばできるでしょう。それで納得してもらえるかどうかはわかりません。でも、それが選んだ人の責任なのだと思います。

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    8. 最後に。ALPS処理水の処分方法は「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」での検討を経て決められることになるようですが、この小委員会にはいわゆるステークホルダーの人(福島県の住民や農林漁業関係者、あるいは関東地方の消費者など)が出席していません。このような委員会の構成が、地上保管を検討に入れ損なうという事態をうんでいるのではないかと思うのです。処分方法決定の話し合いは、そもそも、誰がするべきなのか。それは、東電や規制庁ではなく、あるいは現状のように国主導の委員会でもなく、むしろステークホルダーの人たちではないのか。ステークホルダーが現実的な話し合いをするための情報を提供することが、東電や規制庁、国のやることであり、それを元に話し合い結論を出すのはステークホルダーこそがふさわしいのではないか。今さらながら、この点において大いに問題があったのではないかと思っています。もしそれが実現していれば、どのような方法が選択されたとしても、また違った受け止め方をされたのではないか、とも思うのですが、ペレンドラさんはどのようにお考えでしょうか。

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    9. ペレランドラさん、お名前を間違えていました。大変失礼しました。ごめんなさい。

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