今日のお仕事
福島第一原子力発電所の状況について(日報)
プラント関連パラメータ(PDF) 午前11時時点
サブドレン他水処理施設、10:08-13:31に一時貯水タンクEから排水を実施。排水量は501m3。
その他
地下水バイパス揚水井(奇数番+No.10)のサンプリング結果。6日採取分。
福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果(PDF)
No.10のトリチウムは1600Bq/L。
日採取分。東電、第三者機関のいずれの結果も運用目標をこえず。
福島第一 地下水バイパス揚水井 No.10 分析結果(PDF)(12日公開)
サブドレン他水処理施設、一時貯水タンクF(4日採取)と集水タンクNo.5(2日採取)の分析結果。
サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果(PDF)
一時貯水タンクの分析結果は東電、第三者機関のいずれも運用目標を超えず。トリチウム濃度は東電が960Bq/L、第三者機関が1000Bq/L。明日9日に排水の予定。
サブドレン他水処理施設、6日排水時の開始サンプリング結果。
福島第一 サブドレン・地下水ドレン浄化水排水に関するサンプリング結果(PDF)
6日未明に最大震度7の「北海道胆振東部地震」が発生。地震の影響で道内の消費電力の約半分を発電していた苫東厚真火力発電所が緊急停止し、需給バランスが崩れたことで北電管内全域の停電が発生(いわゆるブラックアウト)。その後、順次、送電は復旧してきているが、苫東厚真火力発電所の発電機に損傷が確認され、早期の復旧が難しくなったことで、安定的な送電ができるようになるまで、しばらく時間がかかりそうな状況。
こうなると、「泊原発が動いていれば」と思う人が当然にいる。そうすると「原発が動いていればもっとひどいことになったかも」という人も現れる。
また、道内全域で停電した影響で、泊原発の使用済燃料プールを冷却する外部電源が停止、すぐに非常用発電機が立ち上がって冷却を再開したのだけれど、「外部電源喪失・使用済燃料プール・冷却」というキーワードの組合せに反応した人も多かったようで、「やっぱり原発は怖い」と思った人も多数いた模様。
そういう中で、流れてきたツイート達。
泊原発あたりって震度2だったって広く知られてますかね?震度2で電源喪失寸前ってどれだけ危ういのか。お粗末という言葉でも足りない。原発持てる国土じゃないって認めようよ。。— 弁護士 太田啓子 (@katepanda2) 2018年9月6日
「震度2で電源喪失寸前だった北海道・泊原発「経産省と北電の災害対策はお粗末」地震学者」
https://t.co/b28k1M7QVH
電源損失しそうになった原因は、地震ではなく全域停電だ。そしてこのような事態を想定して準備していたディーゼル発電機による発電で電源喪失には至っていない。— U.T. (@UT_1966) 2018年9月9日
お粗末なのは元記事とそれに登場する学者、そしてその記事を引用して上記の事態を理解していないツイートをする弁護士だと思う。
大きな地震が起これば原発も止まります。東日本大震災では福島第一原発だけでなく多くの原発が停止しました。たとえ北海道内で原発が稼働していたとしても今回の地震では当然停止したはずです。あなたの批判は全く見当違いな批判です。— 菅 直人 (Naoto Kan) (@NaotoKan) 2018年9月9日
仮に泊が稼働してたとして、今回の地震で「当然停止したはず」は言い過ぎでしょう。東工大澤田氏によれば泊は100~300ガルの地震加速度検知で自動的に止まる仕組のところ今回実際に現地で計測されたのは10ガル以下とのことなので、https://t.co/AMTWMYY9UNそのまま動き続けた可能性が高い様に思います https://t.co/UamUHeWBbU— happysakiko (@happysakiko1) 2018年9月9日
政府は今後計画停電が必要と言っているが、北海道電力のHPでは苫東厚真火力と泊原発を除いても424万kWの発電能力が。有価証券報告書の主要発電所のデータでも325万kWあり、北本連係による送電60万kWをあわせれば現在のピーク380万kWはクリアできる。明確な説明が必要。https://t.co/bl0s74h8ro— 小池晃 (@koike_akira) 2018年9月8日
かなりダメな人だなこれ。— あさくら めひかり (ハーブ焼き) (@arthurclaris) 2018年9月9日
どの発電方法にせよ、容量=能力じゃないぞ。点検停止も必要だし、古い火力は設備への負荷を低減するためにあえて定格運転しない場合もある。連続運転する程の燃料貯溜設備がないケースもある。水力だって水がなきゃ発電できないぞ。https://t.co/7Bnyl6H5EG
「法令に反した再稼働の強行」という方法こそが、現実問題として「机上の空論」なのですよ。。。— 片瀬久美子 (@kumikokatase) 2018年9月9日
裁判所に早く再稼働を認可して欲しければ、活断層の調査などの支援が必要だと思うのですが、そうした具体的な行動はとられているのでしょうか。 https://t.co/2lp9zzvLk0
— 落語家「電路亭地絡」.きりん (@__kirin_config) 2018年9月9日
技術的には、泊原発を冬までに再稼動することは不可能ではない。あと2ヶ月ぐらいで燃料棒を入れ、原子力規制委員会が泊の「使用前検査」をOKすれば運転できる。安全審査はそれと並行してやるというのが、原子炉等規制法の想定しているルール。— 池田信夫 (@ikedanob) 2018年9月9日
原子力VS反原発でも原子力VS再エネでもなく、科学VS非科学の構図に収斂されてきたことが、あらためて露わになってきたなあという印象。— ebi kosuke (@ebi_kosuke) 2018年9月8日
「科学の公衆理解」においては、「欠如モデル*」が社会科学者から批判されることがあるのだけれど、科学・技術の専門的な知識以前に、まずは事実関係を共有できなければその先の話に進めない。その事実関係の共有ですらこんなに難しいのに、一体どうすればいいんだろう。今回の北海道の地震に関連して、色々なツイートが流れていくけれど、どうしてこんなに話が通じないんだろう、という暗澹とする気持ちが、この7年間感じ続けた気持ちが、ぐっとよみがえってきて、なんだかつらい。
*たとえば、「欠如モデル」と「欠如モデル批判」についての覚書(r_shinehaの日記)を参照。
8月末に開かれたALPS処理水の処分に関する公聴会では、地上のタンクで長期保管するのが良いという意見が複数あったのだけれど、その意見の中で、地上保管によるデメリットや予想されるリスクについてきちんと考えた意見はなかった。なぜ処分が必要なのかに対する反論もなかった。こういうところも、事実関係の共有ができてないのが理由なんだと思う。
いろんな価値観があっていいと思うし、原発を使わない道も、処理水を地上保管する道も、ないわけではないんだろう。だけれど、そうしたいからそうする、じゃ、あんまりだ。そうしたらどうなる、他の方法と比べてどこがよくて何を我慢する必要があるのか、そういうところを検討しなければ、現実的な話にならない。そういう話を聞きたい。
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